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【シェアする人びと】合同会社杜の日 及川結さん「癒しを届ける森の案内人」

#新しい暮らし #新しい価値観で仕事をする人

PEOPLE

株式会社エコラが運営するシェアオフィス・コワーキングスペースの入居者さんをご紹介する「シェアする人びと」。
今回は仙台市二日町のシェア型複合施設『TNER』に入居する、『合同会社杜の日』の及川結さん。森を訪れる人たちをご案内する『森林セラピスト』として活動されています。

心と身体の健康維持・増進や、病気の予防に効果が期待できるという森林浴。聞いたことはあるけど、実践したことはないという方も多いのではないでしょうか。
宮城県では登米に森林浴を楽しめる『森林セラピー基地』(※)が整備されており、NHKの朝ドラ『おかえりモネ』でも紹介されるなど、注目が集まっています。
そんな森林浴のことから、ご自身の起業の経験、働き方についてもお話を伺いました。

(※)森林浴の効果が専門家により医学的・科学的に実証され、関連施設などの自然・社会条件が一定の水準で整備されている地域のこと。現在は全国で60ヶ所以上の森が認定されている。


合同会社杜の日 及川結さん

 

現代人の疲れた心と身体を癒す『森林浴』


「現代の暮らしは緊張状態が続くことが多くなっています。仕事のプレッシャーや、オンオフの切り替えが難しくなっていることが原因で、慢性的にストレスを感じているからなんです」

そう話す及川さんが森林浴に興味を持ったのは大学受験の時でした。大きなストレスを感じ気分が滅入っていた時に、自然に触れることでリフレッシュして前向きになれたと言います。及川さんは東京郊外のご出身。近所に雑木林などもある環境で育ち、自然や緑は身近なものでしたが、受験期をきっかけに森林のことを深く学びました。


写真提供:杜の日

「自然に触れることで得られる効果は医学的にも注目されています。ストレスを和らげたり自律神経を整えたり、精神状態の改善が期待できるほか、感染症や癌の予防への効果も検証されています。もちろん身体を動かすことで運動不足の解消、生活習慣病の改善も期待できますよ。

とはいえ、森林浴とはどんなことをすればよいのか、どんな場所へ行けばよいのか、迷ってしまいますよね。そんな方のガイドをするのが、森林セラピストである及川さんのお仕事です。
森林浴のポイントをレクチャーし、ストレッチや体調のチェックを行ったら、実際に森の中をご案内。呼吸を整え、木々を触ったり匂いを嗅いだり、風景を眺めたり。五感を使って自然を感じるお手伝いをしてくれます。これなら「一人で森へ入るのは不安だな……」という方でも安心して始められそうです。


写真提供:杜の日

「一度プログラムに参加して、効果的な森林浴の方法を知っていただいたら、あとは身近な環境で実践できます。自宅から離れた自然の中で本格的な森林浴をしようと思うと、時間や費用の問題で継続するのが難しいですよね。細切れでも構わないので日々の生活の中で続けてもらえれば、効果を積み重ねることができるんです」

例えば仙台では、街中でも立派な街路樹が並ぶ道や緑豊かな公園もあります。そんな場所を通勤ルートに組み入れたり、週末に少しお散歩をしてみたり。1回の時間は短くても、週にトータル2時間程度の森林浴ができると十分な効果が得られるそう。
特別な装備を準備したり特別な場所へ出かけたりしなくても、気軽に取り入れられるのは嬉しいですね。

 

手探りでの起業、好きなことを仕事にする楽しさと大変さ


結婚を機に仙台へ移り住んでから、本格的に森林セラピストとしての活動を考え始めた及川さん。しかし仙台ではまだまだ森林浴が普及しているとは言えず、森林セラピストを生業にしている人もいない状況でした。

「そうなると誰かに雇ってもらうのは難しくて。登米にある森林セラピー基地で場所を借りることはできるということでしたが、ガイドやイベント運営のノウハウが足りなかった。まずは自分でイベントができるようにならなきゃと思った時に、起業する必要があるのかなと考えたんです」

仙台市の「起業支援センター アシスタ」や、株式会社ゆいネットが実施する「ちっちゃいビジネス開業応援塾」で起業に必要な知識を学び、相談しながら、まずは小さく事業をスタートさせました。

「未だに正解がわからない部分もたくさんあります。コロナの時期には屋外だけど人を集めてもいいのか、と悩みましたね。他にやっている人がいないので基準も難しくて。時代のニーズもどんどん変わりますし、今は価値観が多様化していて、どう対応したらいいのか迷うこともあります」

お仕事をしていく中で悩みは尽きないと言いますが、やりがいを感じることもたくさんあるそう。

「参加者さんが効果を実感して自分の暮らしに取り入れてくれたり、それで体調がよくなったと言っていただけるのが一番嬉しい。そんなお話を聞くと、やってて良かったなと思います。あとは、ガイドする場所の自然環境を上手く活かした企画を立てられた時も楽しいですね。場所やお客様によって、どんなことが喜ばれるのか。いろいろ考えるのが好きなんです」


写真提供:杜の日

及川さんはアロマやヨガなど、別のジャンルとのコラボ企画にも積極的です。新しい発見や刺激を受け、悩みながらもチャレンジを続ける姿勢を感じました。

 

適度にひとけがあって集中しやすいシェアオフィス『TNER』


当日のガイドよりも、事前準備の比重が大きい森林セラピーのお仕事。主にパソコン作業の際にはシェア型複合施設TNERを利用されています。

「仕事は自宅でもできますが、やっぱり切り替えたいというか。カフェに行くのもいいけど、毎回お店を選ぶのって手間も時間もかかるんですよね。なので、『仕事をする場所はここ』と決めてしまった方が働きやすかったんです」

最初は春日町にある複合施設THE6をドロップインで利用していましたが、市内のさまざまな施設を調べる中で、アクセス面やレンタルキッチンがあることがTNERへ入居する決め手になりました。

「地元の野菜などを使ったヘルシーな『セラピー弁当』を提供する基地もあって、そういうことも将来的にやりたいと考えています。パソコン作業をするだけではなくて、自分がやりたいことを形にしていける複合的な場所がいいなと思い、TNERを選びました」


製造販売ができるレンタルキッチンTNER CAFE

適度にひとけがある場所だと集中しやすく、普段はオープンなフリーデスクをご利用されていますが、打ち合わせやオンライン会議の際には個室を使えるのも決め手の一つになったそう。その日の気分や仕事の内容によって使うスペースを選べるのも、TNERの特徴です。


打ち合わせなどに便利な会議室


フリーデスク/共用スペース

「内装やインテリアのデザインは女性が親しみやすい雰囲気がありますし、実際に利用されている方も女性比率が高いですよね。あまりガヤガヤすることもなく落ち着いて働ける場所だと思います」

他にも複合機をシェア利用できる点や、近隣に飲食店が多いことなど、おすすめのポイントを教えてくれました。
TNERがどんな施設か気になる方は、こちらの記事も参考にしてくださいね。

編集部が選ぶ!仙台のシェアオフィス『TNER』のおすすめポイント3選

 

森林浴で心と身体を健康に


森林浴は桜が咲き始める春から、寒くなる前の秋頃までがおすすめとのこと。及川さんが講師を務めるイベントが今後も予定されていますので、森林浴に興味を持たれた方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。個人的なガイドのご依頼にも対応しているそうですよ。
詳しくは杜の日公式ホームページからご確認くださいね。


写真提供:杜の日

「さまざまな人や場所とコラボすると、可能性が広がるなと感じます。それをもっと発展させて、地域の困りごとなどを解決する一助になれば嬉しいですね。ただ自然を楽しむだけではなく、エンターテイメントの要素やアートや科学的なものとか。いろんな側面を持って続けていけたらと思っています」

森と人を繋ぎ、癒しの時間をご案内する森林セラピスト。
及川さんは忙しい現代人の心と身体の健康のため、これからも森林浴の普及に取り組んでいきます。


写真提供:杜の日

その他詳細

記事を書いた人

八島 拓未

コーディネーター

以前は住宅購入の相談所でアドバイザーとして勤務。
コロナ禍で新しい暮らしや新しい働き方が求められる中、シェアオフィスやコワーキングスペースという場所に興味を持ち、エコラに入社。
現在は施設の管理や内覧・お問合せの対応、事務作業など、シェアオフィスの運営業務を担当。

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