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心地よさに出会えるバタートーストのお店「drop by GINKGO」の魅力とは

#暮らしに変化を #街のこと

TOPICS

仙台市民に愛される数々のイベントが1年を通して開催されている、定禅寺通り。
定禅寺通りに面したメディアテークの裏手に「春日町」というちょっとこぢんまりとしたエリアがあります。そんな「春日町」をお散歩しながら、そこに暮らす人たちの魅力をお伝えします。

Butter toast, Soup, and Deli


鮮やかな黄色が印象の外装

2023年1月6日、春日町にオープンした『drop by GINKGO(ドロップバイジャンコ)』。
“しみじゅわ”なバタートーストと、それに欠かせないスープとデリで、お客さんを魅了する人気店です。

店先に飾られた小さな旗、入口のガラスに描かれたイラストが、通りを歩く人にとって一際目を引く外観になっています。

今回は春日町の中でも注目を集める『drop by GINKGO』の魅力やこだわりについて迫るべく、店主の武居明子(たけいあきこ)さんにお話をお伺いしました。

細やかなこだわり


温かみのある店内の様子

店内は優しい色合いで、木製の棚やカウンターが落ち着いた雰囲気を作り出します。壁に飾られたリースや小物が店内の魅力を一層引き立て、食事を待っている間もお客さんを楽しませます。

お店の大きさは6坪と少しコンパクト。
武居さんと近い距離間で会話をしながら食事をすることができるのも、大きな魅力となっています。

しみじゅわバタートースト選べるバタートーストとスープに、メイン・デリがセットになった『GINKGO PLATE』

drop by GINKGO』で提供される食材や調味料は、すべて武居さんが丁寧に選んだものです。
お野菜や果物たちはなるべく無農薬や自然農法で栽培されたものが使われているため、誰でも安心して食べることができ、若い方からご年配の方まで幅広い世代に親しまれています。

他にもお店で取り扱う商品は、環境に配慮して作られたものばかり。
捨てない暮らしをするためのアイデアや、心地よい買い物体験に出会うことができます。

食材選びからお店づくりまで、細やかなこだわりが見える『drop by GINKGO』。
そんなこだわりが形になるまでの道のりは、どのようなものだったのでしょうか。

お店をはじめるまでの道のり


武居さんは大学卒業までのほとんどを仙台で過ごし、就職を機に東京へと生活を移します。
東京ではIT業界で9年ほど営業の仕事をされていました。

IT業界から、現在の飲食業界へと大きく業種を変える武居さん。
この先10年20年と同じ仕事を続けていくことに疑問を感じ「自分がつくったもので喜んでもらえることが、長く続けられることではないか?」と思い立ち、大好きな「バタートースト」のお店を開くために、社会人向けの開業スクールで勉強をはじめます。

パンの製造と営業方法を学んだ後も、料理の幅を広げるため、デリのお店やレストランで腕を磨いていきました。

笑顔で話す店主の武居さん『drop by GINKGO』店主の武居さん

2019年、武居さんは仙台に戻り、開業に向けた準備をはじめます。

しかし1年後、コロナウイルスによって社会は大きく変化。
今後の見通しも立たず、悶々とすることが増えていたそうです。

「コロナでいろいろなことにモヤモヤしながらも、今できるカタチを模索していました。そんなとき、ふと見た新緑の銀杏並木にパワーを感じ、元気をもらったんです。」

銀杏の木に背中を押された武居さんは、もともと持っていた自分の想いや、変化した暮らしの中で見えてきた違和感から、自分の作りたい場所のイメージを鮮明にしていきます。

今日から楽しむエコとの出会い


「テイクアウトでお店を応援できるようになった反面、あっという間に増えたプラスチックごみに違和感を持ち、私の目指す場所はそういう形ではダメなんじゃないかなと考えました。」

そのように考えていた中、武居さんは必要な物を必要な分だけ買うというコンセプトの『量り売りマルシェ』に出会います。

「量り売りマルシェが、美味しくて楽しくて、心地よい買い物体験だったんです。このイベントと出会って、自分のやりたかったことはこういうことなんだと思いました。私がそんなことを考えていた頃と同じ時期に、環境を意識した活動をする人が少しずつ仙台でも現れてきたんです。自分が思っていたことは間違いではないし、同じ想いを持つ人が居るんだなと実感しました。」

量り売りマルシェという体験に出会い、「“キッチンから始めるごみを減らす暮らし方”や“今日から楽しむエコ”を共有できる場を作りたい」という想いが武居さんに生まれます。

循環の取り組み ジャンコインマイ容器やマイボトル、購入したジャムの空瓶を持参すると、お店で使うことのできるコインを渡している。利用後は回収、消毒、そして次のお客様へと循環していく仕組みが作られている。

武居さんの中の想い


そんな想いをより多くの人に届けるために、武居さんはお店のコンセプトを定めます。

「特別な日の食べ物ではなく、バタートーストという日常の食べ物を『毎日でも食べたい』と思ってもらえる。そんな商品を提供することで、その人の暮らしに溶け込むことができると考えました。そして、飲食店の立場から『続く未来』をつくる取り組みをしたいと考えたんです。」

そんな想いから「“週5で食べたい常備食”と“今日から楽しむエコ”に出会えるお店」というコンセプトが生まれました。

今までの出会いや経験、タイミングが重なり生まれた、このコンセプト。
自分のやりたいことを言語化したことで、『drop by GINKGO』としての活動が始まります。

想いをカタチに


レンタルキッチンを活用した間借り営業やマルシェ出店などで活動をスタートして、着実に想いを届けていった武居さん。その間にも、実店舗を構えるために物件を探していたそうです。

しかし物件探しにもコロナウイルスの影響がありました。
ご近所の方に受け入れられるようなお店にしたいという想いがあり、住宅やオフィスも近くにある場所を探していた中、社会が大きく変化し、希望するエリアが空くことはなかなかなかったそう。

「使われてなさそうな場所や、空きそうな所をひたすら探し、問い合わせてみる。それを繰り返している中で、知り合いから『ここ空いてるっぽいよ』という連絡があり、それがきっかけで現在の店舗と出会いました。」

そうして出会った少しコンパクトなお店を、どのように自分の想いを伝える場にしていくか。想いをカタチにしていくことは、自分一人では実現できなかったといいます。

「私の中にある『こうありたい』という気持ちを伝え、設計士さんやデザイナーさんに提案していただき、そこから自分の想いがさらにブラッシュアップされる。それを繰り返すことで、ぼんやりと浮かんでいた理想のお店の解像度を上げていき、現在のお店を作り上げていきました。」

循環の仕組みが示されたイラスト入口の横のガラスにあるイラスト。循環し続ける仕組みを作っていく場所・疑問を共有する場所・ヒントになる場所。そんな場所にしていきたいという想いをデザインにしている

入口の大きなガラスに描かれた、お店のコンセプトをふんだんに盛り込んだイラスト。
日常に寄り添った温かみのある店内の雰囲気。

武居さんの想いが感じられる細かなデザインから、店舗ができあがるまでにされた対話が空間となって見えてきます。

そうして出来上がった実店舗は、2023年1月6日に念願叶ってオープン。
「自分がつくったもので喜んでもらえる場所をつくりたい」という武居さんの夢が、ついに現実のものとなりました。

シンボルツリーのような存在を目指して


営業中をお知らせする旗「銀杏の木」は、武居さんにとっての「シンボルツリー」になっているそうです。

店名にある「GINKGO」は「銀杏」、「drop by」は「寄り道」という意味を持ちます。「お客さんにとってのシンボルツリーのような、元気をもらえる場所」という、目指す姿が店名に込められています。

『drop by GINKGO』は店名に込められた想いの通り、優しくお客さんを迎え入れ、新しい気付きや出会いが起こる場所になっています。
その姿はまさに、訪れた人の心の支えとなるシンボルツリーのような存在になっているように感じます。

春日町の中の『drop by GINKGO』


春日町に拠点を持った武居さんに、街の魅力をお伺いしました。

「春日町は昔から続くお店も、最近できた新しいお店もあって、古さと新しさが良い形で共存している場所なのかなと思います。」

賑わいのあるメインの通りから、少し奥へと歩いたところまで、すべてのエリアでゆったりと心に余裕を持って過ごすことができる。そんな魅力的な街だと武居さんは話します。

「お客様からは『最近春日町がアツい』とお聞きします。縁あって決めた場所が盛り上がっていけば私もうれしいですし、私もその一員として新しい面白さに出会える町なんだよってことを伝えていきたいです。」

出会いを大切にしてきた武居さんだからこそ、春日町の魅力を丁寧に発信していき、いろんなお店と合流して盛り上げていきたいと、これからの話もしてくださいました。

そんな武居さんにオススメのお店を伺ってみると、焼き菓子のお店やお茶屋さん、和菓子屋さんなど多くのお店を紹介してくださいました。

武居さんはお店に来てくださったお客様へ、春日町の素敵なお店や自分の好きなお店を積極的にお話ししているそうです。

武居さんにオススメのお店を聞いてみると面白い発見があるかもしれませんね。

暮らしに向き合うきっかけになるお店


武居さんが量り売りマルシェで出会った、「“じゃなきゃいけない”ではなく“そうしたら”心地よかった」という体験。
『drop by GINKGO』で“しみじゅわ”なトーストやお買い物を楽しむことで、そんな体験ができるかも知れません。

「おいしい体験」「心地よい買い物体験」に出会うことができる、そんな『drop by GINKGO』に皆さんも足を運んでみてはいかがでしょうか。

店の外に立つ店主の武居さん

その他詳細

𝗱𝗿𝗼𝗽 𝗯𝘆 𝗚𝗜𝗡𝗞𝗚𝗢 -ドロップ バイ ジャンコ-

〒980-0821
宮城県仙台市青葉区春日町2-22

記事を書いた人

荒田考太郎(インターン)

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