仙台市民に愛される数々のイベントが一年を通して開催されている、定禅寺通り。
定禅寺通りに面したメディアテークの裏手に「春日町」というちょっとこぢんまりしたエリアがあります。そんな「春日町」をお散歩しながら、そこに暮らす人たちの魅力をお伝えします。
今回は春日町第3今野興業ビル一階に2022年よりオープンした『Flower Suga Design』の菅原祐太さんです。
生花や切花、観葉植物の販売などを始め、フラワーアレンジメントの作成やブーケ作りのレッスンなどを手がけている菅原さん。なんとパティシエからブライダルの仕事を経て、現在のフローリストになったという驚きの経歴の持ち主なんです。
そんな『Flower Suga Design』の菅原祐太さんにお話を聞いてみました。
菅原さん
−早速ですが、お花屋さんになった理由について教えていただけますか?
菅原:お花の魅力をもっといろんな人に知ってほしかった、というのが一番の理由ですね。
専門学校を出てパティシエの仕事をはじめたのは、物を作るのが好き、手がけたもので人を喜ばせたいという思いからでした。しかし、実際は工房の中での仕事が多いため接客の機会も少なく、お客さんの喜びをあまり感じられない状況だったんです。ブライダルパティシエとして結婚式場で働いてましたので、普段からお花を目にする機会は多く、「お花屋さんならば、接客をしながら自分の作ったもので人を喜ばせることができるのでは」と考えたのがきっかけですね。
−パティシエからお花屋さんへの転職となると、苦労も多かったように感じます。
菅原:そうですね。パティシエを辞めたあとは園芸会社のブライダル部門で働いていたのですが、お花について全く詳しくなかったので勉強などはとても大変でした。
その会社では会場装花や店長など様々な経験をさせてもらいました。苦労もありましたが今のお花屋さんでの仕事にもその経験は生きていますね。
−園芸会社に勤める中、どのようなきっかけで自分のお花屋さんを開くこととなったのでしょうか?
菅原:会社に所属する一方で、会社の枠を超えて多くの人にお花の魅力を伝えたいという思いが強くなっていったんですね。そんなところにコロナ禍が訪れ、必然的に自分自身について考える事が多くなりました。自分主体でお花の魅力を伝える仕事をしてもいいんじゃないか、そんな思いが募った結果、自分のお店を開こうという決断に至ったという訳なんです。
−その時から春日町でお店を開こうと考えていたんですか?
菅原:実は最初から春日町でやろうというのはなかったんです。ただ、仙台市でやりたいという気持ちはずっとあって。自分の足で歩いて交通量などいろいろ調べた結果、春日町を選んだという感じです。自分と同世代の人が同じ時期にお店を出されたり、近隣にお花好きの方々がいらっしゃったりして、春日町を選んでよかったなと思っています。
お店の外装
−菅原さんの趣味や休日の過ごし方などについてお聞きしてもよろしいでしょうか。
菅原:このお店をオープンしてからは、お客さまが経営されているお店に伺うことが多いですね。基本的に仕事が好きなので、ホームセンターや他のお花屋さんへ行って流行りのお花を確認することもあります。
−ホームセンター含め仙台市内にお花屋さんはいくつもあると思うのですが、お店によってどのような違いがあるのですか?
菅原:置いてるお花などは全然違ったりしますね。植物なので季節によって品揃えは変わりますが、お店の方の趣味や好きなお花などはやはり品揃えに大きく影響しますね。
−菅原さんのお好きなお花はなんですか?
菅原:『イヴ・ピアジェ』という、香りがとても良いピンクのバラが好きですね。そのほかにも『サムライ』という真っ赤なバラが好きで、名前が衝撃的だったというのもあり、当時一番最初に名前を覚えました。イブ・ピアジェについては、はじめて勤めたお花屋さんの店長さんが好きだったお花で、自分が最初に出会ったお花でもあるんです。
−Flower Suga Designさん含め、春日町には素敵なお店がたくさんあると思うのですが、お店同士での交流などはあったりしますか?
菅原:はい、この辺りのお店にはちょくちょく顔を出させてもらっていて、お隣にある「焼菓子屋 ui.」さんとは日頃から仲良くさせて頂いています。
−焼菓子屋ui .さんではお菓子をよく買われたりするんですか?
菅原:よく買いに行きます。でも最近は僕が仕事をしているうちに完売してしまって、買えないということも多くなってしまいました。uiさんからお菓子をいただいたり、お返しにお花を差し上げたり、そんな交流もあるんです。uiさんはよく行列ができているんですけど、その行列に並んだことをきっかけに僕のお店を知ってもらうこともあるんですよ
−とても素敵なご交流ですね。ちなみに菅原さんはどのお菓子が好きなんですか?
菅原:uiスコーンという一番ベーシックなスコーンが一番好きですね。2、3時間で売り切れちゃうこともよくあるみたいです。とても美味しいので、ぜひ一度行ってみてください。
−お店の内装や雰囲気作りへのこだわりを教えてください。
菅原:カフェのような空間を作れるように心がけています。壁の色を紺色にしたり、店内でジャズを流したりなど、落ち着く空間を作れるように心がけています。
−確かに落ち着いていて、ずっと居たくなるような空間ですね。お店のロゴも紺色ですが、何か関係はあるのでしょうか。
菅原:紺色は『誠実』を意味する色なんです。誠実さについては、前職のブライダルの時から自分の中でポリシーとして大切にしています。お花を長く楽しんでもらえるように育て方のアドバイスを添えたり、お花を仕入れる際の目利きなどを含めて、お客様のためになる行動を普段から心がけていますね。
−日々のお仕事でお花を扱う菅原さんが考える、お花の持つ力とはなんですか?
菅原:贈り物として、他に変え難い大きな力を持っていると思いますね。お客さまのイメージや意見を取り入れながら、贈り主の想いを乗せて束ねることができるのはお花だけなのではないでしょうか。また、香りがあって記憶に残りやすいというのも生花の持つ力ですよね。
−確かに、お花は贈り物として特別なポジションにありますよね。
お客さまからのオーダーで深く印象に残っているエピソードなどはありますか?
菅原:黒いお花で、キラキラしたブーケを作って欲しいというオーダーを頂いたことがありましたね。黒いお花というチョイスにとても驚きましたし、当時お花屋さんに転職して3年目くらいで、今よりも知識が乏しかったのでとても悩みました。ダリアの黒蝶という赤黒いお花を採用して、お花の表面をラメで装飾するなどして表現したのですが、これは忘れられません。
−黒色のお花というと中々見ない色ですので、難しいオーダーだった様に思います。
菅原:まさしくその通りで、黒いお花というのはほとんどないのでとても難しかったです。造花などを使えば簡単に済む話なんですが、お花屋さんとして絶対に生花で表現したかったので、上司とも相談を重ねたりして、たくさん考えましたね。その分、作ったアレンジをお客さんに喜んでもらった時はとても嬉しかったですし、お花屋さんになってよかったなと思えた瞬間でした。
お花の持つ力は、想いを乗せる力だと話す菅原さん。贈り主の様々な想いをそのお花に乗せるべく、菅原さんはお客さまに寄り添って真剣にお花を選びます。
−最後に今後の展望について教えていただけますか?
菅原:ブライダル関係のお仕事にもっと関われたら嬉しいですね。 その人にとって一生に一度の大切な日を彩るお花を任せてもらえるってすごいことだと思うんです。
−確かに結婚式というのは人生の中で大きなイベントですし、その時のお花というのは特別感がありますよね。
菅原:そうなんです、誰かの人生の特別な瞬間に携わることができるというのは、とても充実した気持ちにさせてもらえますし、お花屋さんとして幸せな事だと思います。
−春日町との関わり方についての展望も聞かせていただけますか?
菅原:ご近所さん同士で、気軽に挨拶ができるような町になってほしいと思います。
最近ですと、隣にどんな人が住んでいるのか分からないということもあったりしますよね。だからこそ「あのお花屋さん知ってる?」などとコミュニケーションのきっかけとなるような、そんなお店にしていきたいですね。
−そのコミュニケーションが春日町の方とお花を繋ぐきっかけになれば素敵なことですね。
菅原:そうですね、少し抽象的な話になるんですが、春日町から花畑を広げていきたいというのがオープン当初からの想いとしてあります。まずは一輪でもご家庭にお花を飾ってもらって、お家ではもちろん、いずれは町中のたくさんの場所にお花畑を広げて行きたいですね。
菅原さんが好きなお花イヴ・ピアジェには「しとやか」や「上品」、そして「愛」などの花言葉があるそうです。
『Flower Suga Design』の落ち着いた店内には、いたるところに『お客様に喜んでもらいたい』という菅原さんの誠実な想いと、お花に対する愛情が込められています。
あなたもぜひ大切な人へ想いを届ける一品を探しみてはいかがでしょうか。
定禅寺通りに面したメディアテークの裏手に「春日町」というちょっとこぢんまりしたエリアがあります。そんな「春日町」をお散歩しながら、そこに暮らす人たちの魅力をお伝えします。
今回は春日町第3今野興業ビル一階に2022年よりオープンした『Flower Suga Design』の菅原祐太さんです。
生花や切花、観葉植物の販売などを始め、フラワーアレンジメントの作成やブーケ作りのレッスンなどを手がけている菅原さん。なんとパティシエからブライダルの仕事を経て、現在のフローリストになったという驚きの経歴の持ち主なんです。
そんな『Flower Suga Design』の菅原祐太さんにお話を聞いてみました。
菅原さん
人を喜ばせたいという気持ち
−早速ですが、お花屋さんになった理由について教えていただけますか?
菅原:お花の魅力をもっといろんな人に知ってほしかった、というのが一番の理由ですね。
専門学校を出てパティシエの仕事をはじめたのは、物を作るのが好き、手がけたもので人を喜ばせたいという思いからでした。しかし、実際は工房の中での仕事が多いため接客の機会も少なく、お客さんの喜びをあまり感じられない状況だったんです。ブライダルパティシエとして結婚式場で働いてましたので、普段からお花を目にする機会は多く、「お花屋さんならば、接客をしながら自分の作ったもので人を喜ばせることができるのでは」と考えたのがきっかけですね。
−パティシエからお花屋さんへの転職となると、苦労も多かったように感じます。
菅原:そうですね。パティシエを辞めたあとは園芸会社のブライダル部門で働いていたのですが、お花について全く詳しくなかったので勉強などはとても大変でした。
その会社では会場装花や店長など様々な経験をさせてもらいました。苦労もありましたが今のお花屋さんでの仕事にもその経験は生きていますね。
−園芸会社に勤める中、どのようなきっかけで自分のお花屋さんを開くこととなったのでしょうか?
菅原:会社に所属する一方で、会社の枠を超えて多くの人にお花の魅力を伝えたいという思いが強くなっていったんですね。そんなところにコロナ禍が訪れ、必然的に自分自身について考える事が多くなりました。自分主体でお花の魅力を伝える仕事をしてもいいんじゃないか、そんな思いが募った結果、自分のお店を開こうという決断に至ったという訳なんです。
−その時から春日町でお店を開こうと考えていたんですか?
菅原:実は最初から春日町でやろうというのはなかったんです。ただ、仙台市でやりたいという気持ちはずっとあって。自分の足で歩いて交通量などいろいろ調べた結果、春日町を選んだという感じです。自分と同世代の人が同じ時期にお店を出されたり、近隣にお花好きの方々がいらっしゃったりして、春日町を選んでよかったなと思っています。
お店の外装
好きなお花は『サムライ』?!
−菅原さんの趣味や休日の過ごし方などについてお聞きしてもよろしいでしょうか。
菅原:このお店をオープンしてからは、お客さまが経営されているお店に伺うことが多いですね。基本的に仕事が好きなので、ホームセンターや他のお花屋さんへ行って流行りのお花を確認することもあります。
−ホームセンター含め仙台市内にお花屋さんはいくつもあると思うのですが、お店によってどのような違いがあるのですか?
菅原:置いてるお花などは全然違ったりしますね。植物なので季節によって品揃えは変わりますが、お店の方の趣味や好きなお花などはやはり品揃えに大きく影響しますね。
−菅原さんのお好きなお花はなんですか?
菅原:『イヴ・ピアジェ』という、香りがとても良いピンクのバラが好きですね。そのほかにも『サムライ』という真っ赤なバラが好きで、名前が衝撃的だったというのもあり、当時一番最初に名前を覚えました。イブ・ピアジェについては、はじめて勤めたお花屋さんの店長さんが好きだったお花で、自分が最初に出会ったお花でもあるんです。
−Flower Suga Designさん含め、春日町には素敵なお店がたくさんあると思うのですが、お店同士での交流などはあったりしますか?
菅原:はい、この辺りのお店にはちょくちょく顔を出させてもらっていて、お隣にある「焼菓子屋 ui.」さんとは日頃から仲良くさせて頂いています。
−焼菓子屋ui .さんではお菓子をよく買われたりするんですか?
菅原:よく買いに行きます。でも最近は僕が仕事をしているうちに完売してしまって、買えないということも多くなってしまいました。uiさんからお菓子をいただいたり、お返しにお花を差し上げたり、そんな交流もあるんです。uiさんはよく行列ができているんですけど、その行列に並んだことをきっかけに僕のお店を知ってもらうこともあるんですよ
−とても素敵なご交流ですね。ちなみに菅原さんはどのお菓子が好きなんですか?
菅原:uiスコーンという一番ベーシックなスコーンが一番好きですね。2、3時間で売り切れちゃうこともよくあるみたいです。とても美味しいので、ぜひ一度行ってみてください。
落ち着いた空間で、誠実に
−お店の内装や雰囲気作りへのこだわりを教えてください。
菅原:カフェのような空間を作れるように心がけています。壁の色を紺色にしたり、店内でジャズを流したりなど、落ち着く空間を作れるように心がけています。
−確かに落ち着いていて、ずっと居たくなるような空間ですね。お店のロゴも紺色ですが、何か関係はあるのでしょうか。
菅原:紺色は『誠実』を意味する色なんです。誠実さについては、前職のブライダルの時から自分の中でポリシーとして大切にしています。お花を長く楽しんでもらえるように育て方のアドバイスを添えたり、お花を仕入れる際の目利きなどを含めて、お客様のためになる行動を普段から心がけていますね。
お花には想いを乗せる力がある
−日々のお仕事でお花を扱う菅原さんが考える、お花の持つ力とはなんですか?
菅原:贈り物として、他に変え難い大きな力を持っていると思いますね。お客さまのイメージや意見を取り入れながら、贈り主の想いを乗せて束ねることができるのはお花だけなのではないでしょうか。また、香りがあって記憶に残りやすいというのも生花の持つ力ですよね。
−確かに、お花は贈り物として特別なポジションにありますよね。
お客さまからのオーダーで深く印象に残っているエピソードなどはありますか?
菅原:黒いお花で、キラキラしたブーケを作って欲しいというオーダーを頂いたことがありましたね。黒いお花というチョイスにとても驚きましたし、当時お花屋さんに転職して3年目くらいで、今よりも知識が乏しかったのでとても悩みました。ダリアの黒蝶という赤黒いお花を採用して、お花の表面をラメで装飾するなどして表現したのですが、これは忘れられません。
−黒色のお花というと中々見ない色ですので、難しいオーダーだった様に思います。
菅原:まさしくその通りで、黒いお花というのはほとんどないのでとても難しかったです。造花などを使えば簡単に済む話なんですが、お花屋さんとして絶対に生花で表現したかったので、上司とも相談を重ねたりして、たくさん考えましたね。その分、作ったアレンジをお客さんに喜んでもらった時はとても嬉しかったですし、お花屋さんになってよかったなと思えた瞬間でした。
お花の持つ力は、想いを乗せる力だと話す菅原さん。贈り主の様々な想いをそのお花に乗せるべく、菅原さんはお客さまに寄り添って真剣にお花を選びます。
菅原さんの今後の挑戦
−最後に今後の展望について教えていただけますか?
菅原:ブライダル関係のお仕事にもっと関われたら嬉しいですね。 その人にとって一生に一度の大切な日を彩るお花を任せてもらえるってすごいことだと思うんです。
−確かに結婚式というのは人生の中で大きなイベントですし、その時のお花というのは特別感がありますよね。
菅原:そうなんです、誰かの人生の特別な瞬間に携わることができるというのは、とても充実した気持ちにさせてもらえますし、お花屋さんとして幸せな事だと思います。
−春日町との関わり方についての展望も聞かせていただけますか?
菅原:ご近所さん同士で、気軽に挨拶ができるような町になってほしいと思います。
最近ですと、隣にどんな人が住んでいるのか分からないということもあったりしますよね。だからこそ「あのお花屋さん知ってる?」などとコミュニケーションのきっかけとなるような、そんなお店にしていきたいですね。
−そのコミュニケーションが春日町の方とお花を繋ぐきっかけになれば素敵なことですね。
菅原:そうですね、少し抽象的な話になるんですが、春日町から花畑を広げていきたいというのがオープン当初からの想いとしてあります。まずは一輪でもご家庭にお花を飾ってもらって、お家ではもちろん、いずれは町中のたくさんの場所にお花畑を広げて行きたいですね。
菅原さんが好きなお花イヴ・ピアジェには「しとやか」や「上品」、そして「愛」などの花言葉があるそうです。
『Flower Suga Design』の落ち着いた店内には、いたるところに『お客様に喜んでもらいたい』という菅原さんの誠実な想いと、お花に対する愛情が込められています。
あなたもぜひ大切な人へ想いを届ける一品を探しみてはいかがでしょうか。
その他詳細
Flower SugaDesign
〒980-0821
宮城県仙台市青葉区春日町9-1
第3今野興業ビル1F
記事を書いた人
吉田音生(インターン)