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【シェアする人びと】グラフィックデザイナー加賀谷明寛さんがTNERを選んだ理由とは?

#新しい暮らし #新しい暮らしをしている人

PEOPLE

エコラが運営するシェアオフィス・コワーキングスペースの入居者さん・利用者さんを紹介する「シェアする人びと」。多様な働き方やライフスタイルを、コーディネーターが聞いてみました。

今回はTNERのオフィスに入居している、グラフィックデザイナーの加賀谷明寛さん。
加賀谷さんが手がけるのは、パンフレットや名刺、ロゴマーク、パッケージのデザインやラベル、会社や団体などの活動をまとめた冊子などなど…
そして以前、THE6のスタッフをされていた加賀谷さん。
シェアオフィスのスタッフと入居者、両方の経験がある加賀谷さんならではのお話が聞けました。

仙台グラフィックデザイナー 加賀谷さん

デザイナーに繋がるルーツ


ー早速ですが、デザイナーを目指されたのはいつ頃でしたか?

加賀谷:実は、デザインのお仕事をいただけるようになるまで、自分がデザイナーになれるとは思っていませんでした(笑)。大学でデザインを学んで、そこで学べば学ぶほど自分にはなれない世界だなと感じて。自分が目指せるものだとは思えませんでした。

ーでは、デザインに興味を持ったきっかけはありましたか?

加賀谷:『ヴィレッジヴァンガード』に行っていたのがきっかけです。好きな雑貨やインテリアの雑誌もたくさんあって。それにきれいな空間の写真や、フィギュアがばーっと並んでる写真が、当時すっごい好きだったんです。

ー様々なカルチャーが集まっていて、魅力的な場所ですよね。

加賀谷:高校生の頃住んでいた青森には、イラストとかデザインの本を置いているお店がなくて。お年玉を使って仙台のロフトにある『ヴィレッジヴァンガード』に行って、山のように買って帰ったりするくらい好きでした。

ー大好きなお店で働きたい、と思ったことはなかったですか?

加賀谷:思わなかったですね。お店に並ぶものを作りたかったんだと思います。売りたいとか、その場を作って商売をしたいというよりも、自分で考えたアイデアを形にする側になりたい、という気持ちの方が強かったです。店員さんになりたいとは考えたこともなかった。今だったら、ちょっとおもしろそうだなと思います。

「大好きなお店との出会い」と、「お店に並ぶものを作りたかった」という物づくりへの興味が、デザインへの興味の扉を開けることになったようです。

仙台グラフィックデザイナー 加賀谷さん

デザイナーになるまで


『ヴィレッジヴァンガード』に夢中になっていた高校生時代に本格的に美術に興味を持ち始め、デザインの勉強をしたい、と思うようになった加賀谷さんは、宇都宮にある美術大学へ進学し、そこでデザインの勉強をします。ところが、大学院2年生の終わりから1年半ほど休学されたそうです。

加賀谷:ゼミの方針に、ついていけなくなってしまって(笑)。休学して、家族のいる仙台に戻っていたんです。先生に退学を申し出たら、「就職先を見つけて来ないと退学はさせられない」と言われて。

ー退学のための条件ですか...

加賀谷:そうなんです。私、出身は仙台なんですけど、小中高は青森で暮らしていたんです。だから仙台には誰も友達がいなくて。頼るあてもなく、この先どうしようかと悩んでいたところ、大学時代にお世話になったNPOの代表に相談をして、仙台を拠点にお仕事をされているデザイナーさんをご紹介くださって。その方の元で、短い期間ですがお手伝いをしていました。

ーどのくらいの期間、お手伝いされていたんですか?

加賀谷:半年くらいだったと思います。退学の件をデザイナーさんに相談するためにご飯へ行ったときに、たまたま隣の席にTHE6のディレクターが座っていたんです。

ーTHE6ディレクターと加賀谷さんがお知り合いだったんですか?

加賀谷:いえいえ。デザイナーさんが、ディレクターともともと知り合いでした。そこでデザイナーさんの方から「何か仕事ない?」と聞いてくださって。

ーすごい偶然でしたね!それを受けて、ディレクターがTHE6のスタッフのお話をしたんですね?

加賀谷:そうなんです。ちょうどその頃、THE6はオープンに向けてスタッフを探しているというタイミングで。お互いの条件などを調整していただいて、デザインの仕事と両立できるように、業務委託という形でTHE6のスタッフになりました。

ーTHE6でのお仕事はいかがでしたか?

加賀谷:入居者さんとの交流がとても楽しくて。気がついたら、入居者さんとお話して一日が終わってしまった、なんてこともありました(笑)。

ーそのお気持ち、よく分かります(笑)。デザインのお仕事との両立はいかがでしたか?

加賀谷:仕事を始めた頃はスタッフ業務がメインでしたが、徐々にデザインのお仕事の時間が増えてきたんです。依頼はTHE6の入居者さんや利用者さんからいただくことが多くて、シェアオフィスならではの『人との繋がり』を感じた瞬間でしたね。THE6で働いて2年くらい経った頃には、スタッフの仕事に手が回らなくなるほどでした。

大学院退学をきっかけに、色とりどりの出会いをしながら歩んでいた加賀谷さん。シェアオフィスのスタッフと、デザインの仕事を並行していくのが難しくなったタイミングで、THE6を卒業。そしてまた、新たな道のりを歩みはじめました。

利府 tsumiki デザイン利府町まち・ひと・しごと創造ステーション tsumiki THE6に勤め始めてからすぐの頃に携わったお仕事。グラフィックデザイナーとして一番最初の大きなお仕事で、加賀谷さんにとっての出発地点に。

choose foodsTHE6に勤めて2年目頃 入居者である、CHOOSE FOODSさんとご一緒したお仕事。初めてのロゴ周りのデザインもトータルで制作。

『複数持つ』ということ


ー高校や大学でのお話を伺いましたが、小中学生の頃の経験が今に繋がっていることはありますか?

加賀谷:中学校ではサッカー部、高校では弓道部、そして小学生のときには陸上・水泳・卓球と様々なジャンルに所属していたんです。ひとつの種目をずっとやって…じゃなくて、バラバラな感じが今の自分を形成していると思っています。

ーその「バラバラな感じ」は、現在のお仕事に通じる部分がありますか?

加賀谷:そうですね。仕事環境に変化をつけることでスイッチが切り替わることがあって。自分はTHE6・TNER・Blankと、とにかくブラブラと使いまわしているんです。

ー気分に合わせて作業する場所を選んでいらっしゃるのでしょうか?

加賀谷:今日はどっちに行こうかな、みたいな感覚で利用しています。そこでの交流も刺激になりますし、勉強になります。仕事の仕方とかをいろんな人に聞いたり、打合せしている様子を横目で見たりしながら、こんな風にやるんだって学んだり。

環境を変えたその場所で、そこにいる人から学びを得ることもあるという加賀谷さん。「3施設の相互利用が性格にも合ってる」と本人がおっしゃる通り、施設の特徴を存分に活用していただいているようです。

6フェスパンフレット6th ANNIVERSARY FES THE6 6周年記念イベントパンフレット 2022年8月 THE6の6周年を記念して3施設合同のイベントが開催されました。そのパンフレットのデザインを担当。

2022年12月に塩竈市にオープンした餅菓子屋「しおがま 松島屋」のブランディングデザイン2022年12月に塩竈市にオープンしたばかりの餅菓子屋「しおがま 松島屋」のブランディングデザイン12月12日(2022年)に塩竈市にオープンしたばかりの餅菓子屋「しおがま 松島屋」のブランディングデザイン。

目標は鶴瓶さん・寅さん・浜ちゃん?


ープライベートでの夢や目標はありますか?

加賀谷:自分が70、80歳になっても若い世代の子たちにいじられていたいですね。もっと分かりやすく言うと、鶴瓶さん。

ーたしかに、あの方は若い子にいじられているイメージがありますね。

加賀谷:鶴瓶さんっていろんな世代の人に面白がられて、いじられるじゃないですか。あの慕われている感じ。周りの人はリスペクトしつつも、近い距離感で接している。あの感じがすごい好きなんです。なので、人としての夢は鶴瓶さんのようになることです。

ーその他にも、何かありますか?

加賀谷:仮に使いきれないほどのお金があったら、仕事はせずに、日本各地を巡っていろんな人たちとの繋がりをどんどん広げていきたいです。

ー人との繋がりを広げながら全国を巡る。楽しそうです。

加賀谷:そこに住む地域の人とお話したり、繋がりを持ったりすることが好きで。寅さんみたいな。仕事も抱えながら、いろんな場所を回って...寅さんのデザイナー版みたいな。腹巻にMacを挟み込んで(笑)。

ー腹巻からMacは斬新ですね!

加賀谷:そして『釣りバカ日誌』の浜ちゃんみたいに、仕事よりも釣りが重要で、でもそこから仕事を持ってくる。そういう働き方がしたいです。転々として生きること。

ー「仕事はせずに」と言いつつも、最終的には働き方のお話に辿り着いてしまいましたね(笑)。やっぱりお仕事が楽しくて、そして拠点がたくさんあると、加賀谷さんがイキイキされるのだろうなと感じます。

加賀谷:そうだと思います。いろんなところに拠点もたくさんありつつ、人もそこにいる。そういう環境がないと、どんどん生命力が弱まっていく感覚があります。仕事に繋がる、繋がらないは関係なく、純粋な人との繋がりで広がっていく。楽しいですね。

お仕事の仕方もお人柄も、憧れるのは生活の延長線上に仕事があって、それを楽しんでいるキャラクターばかり。そんなチョイスに、人と繋がることを楽しんでいる加賀谷さんらしさが溢れています。

加賀谷さんにとって「グラフィックデザイン」とは


ー最後に、加賀谷さんなりの言葉で「グラフィックデザイン」を説明していただけますか?

加賀谷:これは決まってます。目を輝かせることです。

ー「目を輝かせること」ですか?

加賀谷:グラフィックデザインは、主に目で見て体感するものなので、食品みたいに味や匂いはしてこないし、楽器のように音も出さない。『見るだけでいかに楽しませるか』が重要だと考えています。

ー目を輝かせる「誰か」は、いつも具体的に思い浮かべているのでしょうか?

加賀谷:お仕事をご一緒させていただく方や、その先にいるお客様を思い浮かべることはもちろんですが、自分自身の目が輝くかどうかも大切にしています。そして、誰が見ても面白いと思ってもらい、目を輝かせてほしいって思っています。ひとりでも多くの人が目を輝かせてくれるようなイメージです。

仙台グラフィックデザイナー 加賀谷さん

人との出会いを大切に、舞い込んでくるチャンスを捕まえてきた加賀谷さん。

そのチャンスに、しっかりと向き合った積み重ねがあったからこそ、好きだったものを仕事として確立することができたのでしょう。

鶴瓶で寅さんで浜ちゃん。遠くない将来、そんな加賀谷さんに出会えそうな予感がします。

 

記事を書いた人

日沖亜也子

コーディネーター

ゼロから何かを作り上げることよりも、何かを作り上げる人やコトをサポートすることの方が得意。シェアオフィスでそんな特性を活かせたらと思いエコラに入社しました。日常生活では音楽が欠かせません。

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