青葉区国分町ヨコヤマビルの三階にあるダイニングバー『BAR&EVENTHOLE Tiki-Poto(バー アンド イベントホール チキポト)』。
音楽イベントを中心として、古着の販売やアート作品の展示など多彩なジャンルのイベントを開催しているこのお店。飲食店の枠を超え、さまざまな人が「面白い」を求めて足を運ぶ、言わずと知れた人気店です。
『チキポト』のオーナーの小畑公平さんは、以前『THE6』で開かれた「拠点トーク」にゲストとして登壇。「もう一度、私たちの拠点をつくる」というテーマで改めて人が集う場の可能性についてお話しいただきました。
仙台に住む大人たちの心の拠り所となっている『チキポト』。
店主として、その場所を提供し続ける小畑さんにお店の在り方やそれに対する想いをお聞きしました。
お店を入ってすぐの店内の様子。たくさんの面白そうなもので目移りしちゃいます。
地下鉄南北線「勾当台公園駅」から歩いて約5分。
杜の都信用金庫の隣にあるヨコヤマビルの三階に『チキポト』はあります。
木製のドアを開け中へ入ると、イカした柄のギター、ユニークな絵、おしゃれなインテリアなどが並んでいます。暖色の明かりが薄暗い店内を照らし、心地よいリズムの音楽が鳴り響く様子は、まさに大人の秘密基地。
お店は仕事の疲れを癒しに訪れる大人でいつも賑わっています。
豊富な種類のクラフトビールをはじめとして、自家製梅酒やウイスキーなど多様なお酒を提供するチキポトでは、自分の好みのお酒を探すといった楽しみ方もできそう。
カウンター脇においてあるたくさんの種類のお酒。
温かみのある空間の中で、美味しいお酒を楽しむ。そんな素敵な時間を共にすれば、初めての人同士でも自然と会話は弾みます。
一人で来ても、友達と来ても、お店を出る頃には居合わせた人たちみんなと仲良くなっている。それが『チキポト』の大きな魅力です。
連日多くのお客さんで盛り上がりを見せるチキポトは、幅広いイベントを行なっていることでも有名です。
さまざまなアーティストによる音楽イベントを中心に、実店舗を持たないオンライン古着屋のポップアップショップ、イラストレーターの展示会など、一つのジャンルに縛られることなくたくさんのイベントが開かれています。
お酒を片手にアーティストの演奏に聞き入ります。
ポップアップショップで並べられた古着。
「ジャンル関係なく面白い経験をすることが好きなので、お客さんを巻き込んで、みんなで面白い体験をしているような感覚なんですよね。イベントを通じて自分の知らない世界をたくさん教えてもらっています」
『チキポト』10周年イベント「チキ祭」の時の写真を眺める小畑さん。
面白いものの共有の先にイベントがあるという小畑さんですが、多種多様なイベントは普段どのようにして開いているのか尋ねてみました。
「自分からオファーしてイベントを開くことももちろんあるんですけど、お客さんにイベントを開いてもらうこともあるんですよ。趣味で絵を描いているお客さんがいて、そこから展示会に繋がったりなんかもありました。
“趣味で〇〇やってます”とか“昔〇〇やってたんですけど、それができる場所を探してて”みたいな人って実は結構いて、場所がなかったり気持ち的なハードルが高かったりという理由で、人前に出す機会を失っていることがよくあるんですよね」
準備や技術的な理由から、イベントを開くにあたってのハードルはどうしても高いものだと思われがち。しかし、小畑さんは決してそんなことはないと言います。
「世に出すならクオリティが高くなければっていう考えの人は結構多いと思うんですけど、そんなことはないと僕自身は思ってるんです。“ヘタ上手い”じゃないですけど、あまり上手くないからこそ、逆に熱意が伝わって感動を呼ぶなんてことは往々にしてあるんですよね。実際にやってみたら面白くて良いイベントになった、なんてことは今まで何度もありました」
『チキポト』10周年イベント「チキ祭」でのワンシーン。まさに祭!!
音楽はみんなの共通言語。演奏する人たちも楽しそう。
「とりあえずやってみよう」の精神で、仙台の人たちにきっかけを作り続ける『チキポト』ですが、なんとイベントを経験したことでお店を開くことになったお客さんもいるのだそう。
「カレー作りが趣味のお客さんがいて、試しにうちのお店で期間限定カレーを出してもらったらすごく評判が良かったんです。そしたらそのお客さんも俄然やる気になっちゃって。他のお店に修行に行ったりして、遂に自分のお店を持つことになったんですよ!
何かに一生懸命な人を応援したいと思っていますし、そういう人が活躍できる場を今後も作り続けたいです。やってみたい事を気軽にできるちょうどいい場所として、みんなに認知してもらえると嬉しいですね」
ジャンル、クオリティを問わず、お客さんに面白い体験を提供する『チキポト』。
そんなお店を作るに至った経緯には、小畑さんが学生時代に東南アジアを放浪した体験が深く関係しています。
「ゲストハウスと呼ばれる、いわゆる安宿によく泊まっていたのですが、そこは旅人が一同に集まって寝泊まりするごちゃ混ぜな空間だったんです。初めて会った人たちともお酒を飲み交わしながら、一気に仲良くなれるような場所で、まさになんでもありのカオス。日本でもこんな空間があれば楽しいだろうなと強く思いました」
そうして日本に帰国した後、小畑さんは同級生の方と『ヘブンズドア』というお店を立ち上げることに。「学生による学生のためのお店」というコンセプトでスタートしたお店ですが、最初は苦労も多かったようです。
「学生と学生をつなげたいという思いでお店を立ち上げたんですけど、やっぱりはじめはお客さんを集めるのに苦労しました。集客のためにできることなら何でもやりましたね(笑)。
試行錯誤をしながら徐々に感覚を掴んで、お客さんも含めた人とのつながりもできていきました。『チキポト』を立ち上げる時も、そのつながりが助けになりました」
旅先でしか味わえない空気感と、そこにある人との結びつきに強く惹かれた小畑さん。
その感動を体現するように、『チキポト』を訪れたお客さんはお酒を楽しみながら、その場での出会いを楽しんでいます。
「誰でもつながることのできる」それでいて「何でもあり」な空間である事を大切にしているという小畑さん。
お店作りにおいて大切にしていることがもう一つあると言います。
「お店の場所とか内装も相まって、ディープな雰囲気は強めな店だと思うんですけど、お客さんにとって敷居の高いお店にならないように気をつけていますね。
例えば、アメリカンな雰囲気のもので揃えたりすれば、統一感を出すことはできますよね。でも、それではお客さんにも偏りが出てしまうと思うんです。コンセプトとか関係なく、さまざまなお客さんに来てほしい。だから、雰囲気を一つに絞るのではなく、あくまで「何でもあり」を貫くようにしています」
実際に店内を見渡してみると、アメリカンなボードゲームが飾られるその近くには、民族的な太鼓が置かれていたりと、お店に置かれているインテリアからも雰囲気を絞らない小畑さんのこだわりが伺えます。
音楽イベント時はここがステージに。
ステージ脇にある飾り棚。
自分たちの好きなものを寄せ集めたその様子は、まさに秘密基地と呼ぶのに相応しい内装となっています。
時には自分たちで作ったりもするそうで、店内にある椅子もお客さんと一緒に作ったものなのだとか。そうしてお客さんと作業することも立派なイベントだと小畑さんは言います。
「ライブなどで人を集めるだけがイベントではなくて、来てくれた人と時間や経験を共有してつながる瞬間があれば、全てのことがイベントになりうると思うんですよね。そういう点でお客さんと一緒にお店を作っている感覚はありますし、今後も大切にしていきたいですね」
これからも様々なアプローチでイベントを行なっていきたいという小畑さん。
「今は音楽、古着、アートなどのイベントが多いですが、もっといろんな事を行なっていきたいですね。たとえば、お笑いとかのイベントなんかできれば、みんなでお酒を飲みながら笑い声の絶えない最高の空間が作れるんじゃないでしょうか。どんなことでもイベントとして開催してしまうのが『チキポト』ですし、僕自身もこの先どんなことができるんだろうといつもワクワクしているんです。今後もお客さんと一緒に“知られざる面白い事”を発信し続けていこうと思っています」
「チキ祭」での集合写真。店主とお客さんの垣根を超えた絆を感じます。
ダイニングバー『チキポト』。
隠れ家のようなこのお店は、小畑さんとお客さんたちが織りなす居心地の良い空気で溢れていました。
どんな人でも歓迎してくれる空間と好奇心旺盛な店主のいる『チキポト』で、あなたも面白い体験を探してみませんか?
思いもよらないワクワクがあなたを待っているでしょう。
音楽イベントを中心として、古着の販売やアート作品の展示など多彩なジャンルのイベントを開催しているこのお店。飲食店の枠を超え、さまざまな人が「面白い」を求めて足を運ぶ、言わずと知れた人気店です。
『チキポト』のオーナーの小畑公平さんは、以前『THE6』で開かれた「拠点トーク」にゲストとして登壇。「もう一度、私たちの拠点をつくる」というテーマで改めて人が集う場の可能性についてお話しいただきました。
仙台に住む大人たちの心の拠り所となっている『チキポト』。
店主として、その場所を提供し続ける小畑さんにお店の在り方やそれに対する想いをお聞きしました。
かっこよさ溢れる夜のオアシス
お店を入ってすぐの店内の様子。たくさんの面白そうなもので目移りしちゃいます。
地下鉄南北線「勾当台公園駅」から歩いて約5分。
杜の都信用金庫の隣にあるヨコヤマビルの三階に『チキポト』はあります。
木製のドアを開け中へ入ると、イカした柄のギター、ユニークな絵、おしゃれなインテリアなどが並んでいます。暖色の明かりが薄暗い店内を照らし、心地よいリズムの音楽が鳴り響く様子は、まさに大人の秘密基地。
お店は仕事の疲れを癒しに訪れる大人でいつも賑わっています。
豊富な種類のクラフトビールをはじめとして、自家製梅酒やウイスキーなど多様なお酒を提供するチキポトでは、自分の好みのお酒を探すといった楽しみ方もできそう。
カウンター脇においてあるたくさんの種類のお酒。
温かみのある空間の中で、美味しいお酒を楽しむ。そんな素敵な時間を共にすれば、初めての人同士でも自然と会話は弾みます。
一人で来ても、友達と来ても、お店を出る頃には居合わせた人たちみんなと仲良くなっている。それが『チキポト』の大きな魅力です。
音楽、古着、たまにアート
連日多くのお客さんで盛り上がりを見せるチキポトは、幅広いイベントを行なっていることでも有名です。
さまざまなアーティストによる音楽イベントを中心に、実店舗を持たないオンライン古着屋のポップアップショップ、イラストレーターの展示会など、一つのジャンルに縛られることなくたくさんのイベントが開かれています。
お酒を片手にアーティストの演奏に聞き入ります。
ポップアップショップで並べられた古着。
「ジャンル関係なく面白い経験をすることが好きなので、お客さんを巻き込んで、みんなで面白い体験をしているような感覚なんですよね。イベントを通じて自分の知らない世界をたくさん教えてもらっています」
『チキポト』10周年イベント「チキ祭」の時の写真を眺める小畑さん。
面白いものの共有の先にイベントがあるという小畑さんですが、多種多様なイベントは普段どのようにして開いているのか尋ねてみました。
「自分からオファーしてイベントを開くことももちろんあるんですけど、お客さんにイベントを開いてもらうこともあるんですよ。趣味で絵を描いているお客さんがいて、そこから展示会に繋がったりなんかもありました。
“趣味で〇〇やってます”とか“昔〇〇やってたんですけど、それができる場所を探してて”みたいな人って実は結構いて、場所がなかったり気持ち的なハードルが高かったりという理由で、人前に出す機会を失っていることがよくあるんですよね」
準備や技術的な理由から、イベントを開くにあたってのハードルはどうしても高いものだと思われがち。しかし、小畑さんは決してそんなことはないと言います。
「世に出すならクオリティが高くなければっていう考えの人は結構多いと思うんですけど、そんなことはないと僕自身は思ってるんです。“ヘタ上手い”じゃないですけど、あまり上手くないからこそ、逆に熱意が伝わって感動を呼ぶなんてことは往々にしてあるんですよね。実際にやってみたら面白くて良いイベントになった、なんてことは今まで何度もありました」
『チキポト』10周年イベント「チキ祭」でのワンシーン。まさに祭!!
音楽はみんなの共通言語。演奏する人たちも楽しそう。
「とりあえずやってみよう」の精神で、仙台の人たちにきっかけを作り続ける『チキポト』ですが、なんとイベントを経験したことでお店を開くことになったお客さんもいるのだそう。
「カレー作りが趣味のお客さんがいて、試しにうちのお店で期間限定カレーを出してもらったらすごく評判が良かったんです。そしたらそのお客さんも俄然やる気になっちゃって。他のお店に修行に行ったりして、遂に自分のお店を持つことになったんですよ!
何かに一生懸命な人を応援したいと思っていますし、そういう人が活躍できる場を今後も作り続けたいです。やってみたい事を気軽にできるちょうどいい場所として、みんなに認知してもらえると嬉しいですね」
目指すはなんでもありのカオス空間
ジャンル、クオリティを問わず、お客さんに面白い体験を提供する『チキポト』。
そんなお店を作るに至った経緯には、小畑さんが学生時代に東南アジアを放浪した体験が深く関係しています。
「ゲストハウスと呼ばれる、いわゆる安宿によく泊まっていたのですが、そこは旅人が一同に集まって寝泊まりするごちゃ混ぜな空間だったんです。初めて会った人たちともお酒を飲み交わしながら、一気に仲良くなれるような場所で、まさになんでもありのカオス。日本でもこんな空間があれば楽しいだろうなと強く思いました」
そうして日本に帰国した後、小畑さんは同級生の方と『ヘブンズドア』というお店を立ち上げることに。「学生による学生のためのお店」というコンセプトでスタートしたお店ですが、最初は苦労も多かったようです。
「学生と学生をつなげたいという思いでお店を立ち上げたんですけど、やっぱりはじめはお客さんを集めるのに苦労しました。集客のためにできることなら何でもやりましたね(笑)。
試行錯誤をしながら徐々に感覚を掴んで、お客さんも含めた人とのつながりもできていきました。『チキポト』を立ち上げる時も、そのつながりが助けになりました」
旅先でしか味わえない空気感と、そこにある人との結びつきに強く惹かれた小畑さん。
その感動を体現するように、『チキポト』を訪れたお客さんはお酒を楽しみながら、その場での出会いを楽しんでいます。
心地よさに敷居はいらない
「誰でもつながることのできる」それでいて「何でもあり」な空間である事を大切にしているという小畑さん。
お店作りにおいて大切にしていることがもう一つあると言います。
「お店の場所とか内装も相まって、ディープな雰囲気は強めな店だと思うんですけど、お客さんにとって敷居の高いお店にならないように気をつけていますね。
例えば、アメリカンな雰囲気のもので揃えたりすれば、統一感を出すことはできますよね。でも、それではお客さんにも偏りが出てしまうと思うんです。コンセプトとか関係なく、さまざまなお客さんに来てほしい。だから、雰囲気を一つに絞るのではなく、あくまで「何でもあり」を貫くようにしています」
実際に店内を見渡してみると、アメリカンなボードゲームが飾られるその近くには、民族的な太鼓が置かれていたりと、お店に置かれているインテリアからも雰囲気を絞らない小畑さんのこだわりが伺えます。
音楽イベント時はここがステージに。
ステージ脇にある飾り棚。
自分たちの好きなものを寄せ集めたその様子は、まさに秘密基地と呼ぶのに相応しい内装となっています。
時には自分たちで作ったりもするそうで、店内にある椅子もお客さんと一緒に作ったものなのだとか。そうしてお客さんと作業することも立派なイベントだと小畑さんは言います。
「ライブなどで人を集めるだけがイベントではなくて、来てくれた人と時間や経験を共有してつながる瞬間があれば、全てのことがイベントになりうると思うんですよね。そういう点でお客さんと一緒にお店を作っている感覚はありますし、今後も大切にしていきたいですね」
面白いを届け続ける
これからも様々なアプローチでイベントを行なっていきたいという小畑さん。
「今は音楽、古着、アートなどのイベントが多いですが、もっといろんな事を行なっていきたいですね。たとえば、お笑いとかのイベントなんかできれば、みんなでお酒を飲みながら笑い声の絶えない最高の空間が作れるんじゃないでしょうか。どんなことでもイベントとして開催してしまうのが『チキポト』ですし、僕自身もこの先どんなことができるんだろうといつもワクワクしているんです。今後もお客さんと一緒に“知られざる面白い事”を発信し続けていこうと思っています」
「チキ祭」での集合写真。店主とお客さんの垣根を超えた絆を感じます。
ダイニングバー『チキポト』。
隠れ家のようなこのお店は、小畑さんとお客さんたちが織りなす居心地の良い空気で溢れていました。
どんな人でも歓迎してくれる空間と好奇心旺盛な店主のいる『チキポト』で、あなたも面白い体験を探してみませんか?
思いもよらないワクワクがあなたを待っているでしょう。
その他詳細
BAR&EVENTHOLE Tiki-Poto(バー アンド イベントホール チキポト)
980-0803
宮城県仙台市青葉区国分町3丁目5−24 ヨコヤマビル 3F
022-393-8236
記事を書いた人
吉田音生(インターン)