仙台市民に愛される数々のイベントが1年を通して開催されている、定禅寺通り。
定禅寺通りに面したメディアテークの裏手に「春日町」というちょっとこぢんまりとしたエリアがあります。そんな「春日町」をお散歩しながら、そこに暮らす人たちの魅力をお伝えします。
2023年8月1日、晩翠通り沿いにオープンした『L’UTOPIE(ユートピア)』。
大きく書かれたL’UTOPIEの文字と、個性的なお花が窓から覗く外観が一際目をひきます。
花々が彩る空間で、上質なフレンチ料理とこだわりのカフェメニューを楽しむことができる。今回はそんな「カフェと花屋」というスタイルで春日町に癒しを届ける『L’UTOPIE』の店長齋藤さんと、お花のディスプレイや仕入れ販売を担当する横田さんにお話をお聞きしました。
左:店長の齋藤さん/右:お花担当の横田さん
ーさっそくですが、『L’UTOPIE』はどのようなお店なのでしょうか?
齋藤:国分町にある『Bistro Encore(ビストロ アンコール)』の遠藤シェフが、系列店として「疲れた人やお仕事終わりの人にとってのユートピアのような空間」をつくりたいと考えて生まれたのが『L’UTOPIE』なんです。
『Bistro Encore』のメニューを引き継いでフレンチを提供していることもあって、店名は同じくフランス語での表記になっています。
ー「カフェと花屋」というスタイルは、どのようにして決まったのでしょうか?
齋藤:先ほどお伝えした「ユートピアのような空間」を実現するために遠藤シェフが思案した結果、「フレンチをもっと気軽に楽しめるようなお店」を目指すことが最適だと考えたんです。
そこで『Bistro Encore』で提供しているものをカフェ向けにアレンジしたメニューでお出しできれば、お値段が抑えられて、より多くの人にフレンチを楽しんでもらえると考えてカフェに決まりました。
お花も取り扱っているのは、成長に合わせて少しずつ変化していくお花たちは見ていて楽しいですし、なにより癒しを与えてくれる存在だと感じているからなんです。そんなお花がお店にあれば、来てくださった方にも癒しを届けてくれるだろうなと思い、「カフェと花屋」というスタイルになりました。
ーお店ではどのような商品を提供しているのでしょうか?
齋藤:カフェでは『Bistro Encore』の遠藤シェフが作った、ビストロ仕込みのメニューを提供しています。季節やその時の食材の仕入れによって提供する物も変わるので、いつでも旬の味覚を楽しむことができます。
横田:お花は私が選んでいて、一輪からの購入はもちろん、ブーケの注文もお受けしています。食事をしながら眺めるだけではなく、気になったお花があればお気軽に手に取っていただきたいですね。
齋藤:お店は11時から20時まで通しで営業していますが、昼と夜で違った雰囲気になるんですよ。お昼の時間帯にはランチとして家族連れの方がいらしたり、カフェとして近所の方がティータイムを楽しまれたりしています。夜になると仕事終わりの方も来店されるので、自然派ワインのオーダーも多くなりますね。
ーカフェだけではなく、バーのような楽しみ方もできるのはいいですね。
私もランチタイムに「モンカレー」をいただいたのですが、程よい酸味と甘みを感じる味で、お野菜が山のように盛られている見た目からも食事を楽しませていただきました!
齋藤:ありがとうございます!お店としても「モンカレー」と「クロックムッシュ」をおすすめしていて、人気のメニューになっています。
メインディッシュにはセットでパンとサラダとスープがついていて、中でもパンがとても好評なんです。『Bistro Encore』で生地から作った自家製のパンをお店でも提供していて、お代わり自由になっています。
ーデザートに「トンカ豆のアイスと生チョコ」もいただいたのですが、さっぱりしていてコーヒーとの相性が最高でした!
横田:私も注文して食べることがあるくらい大好きなメニューです!
季節のお野菜が山(Mont)のように盛られた「モンカレー」
ーちなみに、カフェで提供している飲み物はどちらから仕入れているのでしょうか?
齋藤:コーヒーは『ダモ・コーヒー・ハウス』さんから、紅茶は『Atelier ICHIMARU』さんから仕入れた『CHA YUAN』さんの紅茶を提供しています。
『ダモ・コーヒー・ハウス』さんはもともと『Bistro Encore』に何回かお客さんとして来てくださっていて、そんな縁があって提供することになりました。『CHA YUAN』さんの紅茶は、仙台ではホテルのアフタヌーンティーのようなシーンで提供されることが多く、紅茶だけで気軽に楽しむことができるお店は一つも無いらしいんです。そんな『CHA YUAN』さんの紅茶をもっとたくさんの人に知って欲しいと思って、提供させていただいています。
ー齋藤さんは、これまでも飲食業界でお仕事をされてきたのでしょうか?
齋藤:私はもともと古着屋で6年間働いていて、後半の4年くらいはそこで店長をしていたんです。ずっとアパレルをやっていて「そろそろ他のこともやってみたいな」と思い始めたときに、ちょうど知り合いから声をかけてもらって、『Bistro Encore』に入ることを決めました。『Bistro Encore』で働き始めたのは今年の4月からで、8月から『L’UTOPIE』で店長を任されています。
ー春日町でお店を始めることになったきっかけを教えてください。
齋藤:遠藤シェフが通勤で晩翠通りをよく通っていて、人通りが多いこの通り沿いなら新しいお店を持つのにぴったりだと考えていたそうです。そんな中、角地にある店舗が空きになったことや、その店舗がある上階のテナントの社長ともともと知り合いであることが重なり、ここでお店を始めることになりました。
お店の外観
ーお店の内装のこだわりも教えてください。
齋藤:お店のディスプレイはシェフの意見を取り入れつつも、私と横田の色を出していけたら良いかなと思って作っています。なのでディスプレイは各々が置きたいように置いています(笑)。
ー青と黄色の壁があるのもかなり特徴的ですよね。
齋藤:お花の方が横田、カフェの方が私みたいに、テーマカラーのように分けられているんです。お花を置いたときに映えるように黄色にしていたり、青色はカフェの落ち着いた雰囲気を演出しています。
斎藤さんのテーマカラーの青色の壁が、温かみのある色合いの家具を際立たせています
横田さんのテーマカラーの黄色の壁がお花の魅力を引き立てます
ー家具やU字のキッチンにもこだわりが見えますね。
齋藤:シェフの知り合いに数多くのカフェを担当している内装屋さんがいて、その人と相談して家具を決めているんです。使っている食器や小さい椅子、テーブルは全部『DECOrate(デコラテ)』というインテリアショップにいつも頼んでいます。
U字型のキッチンは二つの空間を分けたくないという想いからデザインが決定したんです。お花を包んだりするスペースがほしい、そうなるとここにレジを置きたい、でもここにお客さんも座ってほしい…そんな理想を実現するのはこの形状しかない!ということでご提案いただきましたね。
カウンターの高さも他のお店より低くなっていて、お客さんと話しやすくなっていることもこだわりの一つですね。おひとりでいらっしゃる方や、お酒を楽しむ方など、お客さんと話が盛り上がることがよくあります。
お花スペースへと緩やかに人を引き込むU字型のキッチン
ー『L’UTOPIE』のお花担当である横田さんですが、具体的にはどのようなお仕事をされていますか?
横田:お花の仕入れや店内の植物によるディスプレイ、アレンジメントなどを担当させていただいています。毎週水曜日と金曜日の朝に卸町の生花市場で仕入れをしているのですが、その時のこだわりとして、自分が一目見てときめいたお花を選ぶようにしています。
ー店頭に並んでいるお花は、横田さんのときめきセレクトということですね!
横田:そういうことになります!なるべく自分のときめいたものだけに偏らないように気をつけて仕入れているつもりなんですけど、それでも自分の趣向が出ちゃってるみたいで、お客さまからはこのお店は変わったお花が多いねと良く言われます(笑)。
ーお店のディスプレイにも珍しくて綺麗なお花が多いですよね。
横田:そうですね。今、ディスプレイに並んでいるのは花ナスというナスの仲間なんですが、店内全体で季節感を感じられるように、並べるお花の色や種類などには気を遣っています。お客様にも季節の移り変わりを楽しんでもらいたいですね。
店内で飾られている花ナス
ーなるほど、季節の変化に合わせて、お店の意匠もどのように変わっていくのか楽しみです。
今、店頭に並んでいるお花もユニークなお花が多いように思いますが、その中で横田さんのおすすめはなんでしょうか。
横田:今あるものですと、この「スパイラルバンブー」がおすすめですね。
スパイラルバンブーを持って笑顔の横田さん
ー初めてみましたがとてもかっこいいですね!
横田:そうなんです!これ一本だけでも絵になるかっこいい植物なのでとてもおすすめです。
ーお花の販売のほかにフラワーアレジメントもオーダーできるとお伺いいたしましたが、これまでのご依頼で印象的だったものはありますか?
横田:お店にいらっしゃるお客様は年齢層や職業問わずさまざまな方が多いため、頂くリクエストの幅もその分広くなるのですが、最近いただいたご依頼だと、フラダンスの発表会に渡すお花を作ってほしいというものがありましたね。
大きなお花屋さんですと、今ある在庫の中からお花を選んだりということになりがちなんですが、『L’UTOPIE』では私ひとりが仕入れを行っているので、お客様からのオーダーに自由な対応ができるのは強みかなと思いますね。
ー横田さんが『L’UTOPIE』でお花担当として働くことになった経緯を教えてもらえますか?
横田:『L’UTOPIE』で働く前は4年ほどお花屋として働いていました。斎藤店長とは元々知り合いだったのですが、『L’UTOPIE』ができるにあたり、誘われるような形でお花担当として働くことになりました。
ーお花屋という共通点はありますが、飲食を含んだ新しい業種への挑戦は勇気がいるものだったと思います。
横田:そうですね。いつかは転職するんだろうなという考えはあったんですけど、まさかこんな急なタイミングで訪れるとは思ってなかったのでとても驚きましたし、悩みました。小さい頃からの夢だったということもあってお花屋に就職しましたが、大学時代は食品系のことを学んでいたので、元々飲食にはとても興味があったんです。お花に関わりつつも学生時代に学んだことを活かせるいい機会かもしれないと思い、今の決断へと至りましたね。
お花担当としてL’UTOPIEへやってきた横田さん。
その日の自分のときめきを信じ、お客様にもそのときめきを届けるため、自由にそして誠実にお客様からのオーダーに応えます。
ー最後に、今後の展望を教えてください。
横田:私は、お店を通じてたくさんの人に植物を楽しんでほしいなと思います。私が田舎の出身ということもあって、仙台の街中では草木が少なくて自然に触れる機会が少ないなと感じるんです。そこで、ぜひこのお店で季節ごとの自然を体感してほしいですね。仙台の街中で植物を楽しめるお店として、認知していただければとても嬉しいです。
斎藤:今後はお店をイベント会場などとしても利用していただければなと考えています。たとえばジャズなどの音楽イベントを開催して、音楽を聴きながら料理やお花が楽しめる空間を提供できれば素敵だなと思います。
あとはやはり、より多くの人に来て欲しいですね。今はまだお店ができたばかりということもあって、何屋さんなのか分からないという方もいらっしゃるみたいなんです。そういった方々も含めてお店のことをもっと知っていただき、たくさんの人にとってのユートピアになれたらいいなと思いますね。
お店の前で並ぶ斎藤さんと横田さん
疲れた人たちのユートピアになるようにとの願いを込められ、フレンチビストロ『Bistro Encore』の系列店として今年8月にオープンした『L’UTOPIE』。
美味しい料理や個性的で綺麗なお花、時には音楽など、さまざまなアプローチで癒しを与えてくれるそのお店に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
あなたのユートピアがそこにあるかもしれません。
定禅寺通りに面したメディアテークの裏手に「春日町」というちょっとこぢんまりとしたエリアがあります。そんな「春日町」をお散歩しながら、そこに暮らす人たちの魅力をお伝えします。
2023年8月1日、晩翠通り沿いにオープンした『L’UTOPIE(ユートピア)』。
大きく書かれたL’UTOPIEの文字と、個性的なお花が窓から覗く外観が一際目をひきます。
花々が彩る空間で、上質なフレンチ料理とこだわりのカフェメニューを楽しむことができる。今回はそんな「カフェと花屋」というスタイルで春日町に癒しを届ける『L’UTOPIE』の店長齋藤さんと、お花のディスプレイや仕入れ販売を担当する横田さんにお話をお聞きしました。
左:店長の齋藤さん/右:お花担当の横田さん
みんなのユートピアを目指して
ーさっそくですが、『L’UTOPIE』はどのようなお店なのでしょうか?
齋藤:国分町にある『Bistro Encore(ビストロ アンコール)』の遠藤シェフが、系列店として「疲れた人やお仕事終わりの人にとってのユートピアのような空間」をつくりたいと考えて生まれたのが『L’UTOPIE』なんです。
『Bistro Encore』のメニューを引き継いでフレンチを提供していることもあって、店名は同じくフランス語での表記になっています。
ー「カフェと花屋」というスタイルは、どのようにして決まったのでしょうか?
齋藤:先ほどお伝えした「ユートピアのような空間」を実現するために遠藤シェフが思案した結果、「フレンチをもっと気軽に楽しめるようなお店」を目指すことが最適だと考えたんです。
そこで『Bistro Encore』で提供しているものをカフェ向けにアレンジしたメニューでお出しできれば、お値段が抑えられて、より多くの人にフレンチを楽しんでもらえると考えてカフェに決まりました。
お花も取り扱っているのは、成長に合わせて少しずつ変化していくお花たちは見ていて楽しいですし、なにより癒しを与えてくれる存在だと感じているからなんです。そんなお花がお店にあれば、来てくださった方にも癒しを届けてくれるだろうなと思い、「カフェと花屋」というスタイルになりました。
ーお店ではどのような商品を提供しているのでしょうか?
齋藤:カフェでは『Bistro Encore』の遠藤シェフが作った、ビストロ仕込みのメニューを提供しています。季節やその時の食材の仕入れによって提供する物も変わるので、いつでも旬の味覚を楽しむことができます。
横田:お花は私が選んでいて、一輪からの購入はもちろん、ブーケの注文もお受けしています。食事をしながら眺めるだけではなく、気になったお花があればお気軽に手に取っていただきたいですね。
齋藤:お店は11時から20時まで通しで営業していますが、昼と夜で違った雰囲気になるんですよ。お昼の時間帯にはランチとして家族連れの方がいらしたり、カフェとして近所の方がティータイムを楽しまれたりしています。夜になると仕事終わりの方も来店されるので、自然派ワインのオーダーも多くなりますね。
ーカフェだけではなく、バーのような楽しみ方もできるのはいいですね。
私もランチタイムに「モンカレー」をいただいたのですが、程よい酸味と甘みを感じる味で、お野菜が山のように盛られている見た目からも食事を楽しませていただきました!
齋藤:ありがとうございます!お店としても「モンカレー」と「クロックムッシュ」をおすすめしていて、人気のメニューになっています。
メインディッシュにはセットでパンとサラダとスープがついていて、中でもパンがとても好評なんです。『Bistro Encore』で生地から作った自家製のパンをお店でも提供していて、お代わり自由になっています。
ーデザートに「トンカ豆のアイスと生チョコ」もいただいたのですが、さっぱりしていてコーヒーとの相性が最高でした!
横田:私も注文して食べることがあるくらい大好きなメニューです!
季節のお野菜が山(Mont)のように盛られた「モンカレー」
ーちなみに、カフェで提供している飲み物はどちらから仕入れているのでしょうか?
齋藤:コーヒーは『ダモ・コーヒー・ハウス』さんから、紅茶は『Atelier ICHIMARU』さんから仕入れた『CHA YUAN』さんの紅茶を提供しています。
『ダモ・コーヒー・ハウス』さんはもともと『Bistro Encore』に何回かお客さんとして来てくださっていて、そんな縁があって提供することになりました。『CHA YUAN』さんの紅茶は、仙台ではホテルのアフタヌーンティーのようなシーンで提供されることが多く、紅茶だけで気軽に楽しむことができるお店は一つも無いらしいんです。そんな『CHA YUAN』さんの紅茶をもっとたくさんの人に知って欲しいと思って、提供させていただいています。
『L’UTOPIE』ができるまで
ー齋藤さんは、これまでも飲食業界でお仕事をされてきたのでしょうか?
齋藤:私はもともと古着屋で6年間働いていて、後半の4年くらいはそこで店長をしていたんです。ずっとアパレルをやっていて「そろそろ他のこともやってみたいな」と思い始めたときに、ちょうど知り合いから声をかけてもらって、『Bistro Encore』に入ることを決めました。『Bistro Encore』で働き始めたのは今年の4月からで、8月から『L’UTOPIE』で店長を任されています。
ー春日町でお店を始めることになったきっかけを教えてください。
齋藤:遠藤シェフが通勤で晩翠通りをよく通っていて、人通りが多いこの通り沿いなら新しいお店を持つのにぴったりだと考えていたそうです。そんな中、角地にある店舗が空きになったことや、その店舗がある上階のテナントの社長ともともと知り合いであることが重なり、ここでお店を始めることになりました。
お店の外観
ーお店の内装のこだわりも教えてください。
齋藤:お店のディスプレイはシェフの意見を取り入れつつも、私と横田の色を出していけたら良いかなと思って作っています。なのでディスプレイは各々が置きたいように置いています(笑)。
ー青と黄色の壁があるのもかなり特徴的ですよね。
齋藤:お花の方が横田、カフェの方が私みたいに、テーマカラーのように分けられているんです。お花を置いたときに映えるように黄色にしていたり、青色はカフェの落ち着いた雰囲気を演出しています。
斎藤さんのテーマカラーの青色の壁が、温かみのある色合いの家具を際立たせています
横田さんのテーマカラーの黄色の壁がお花の魅力を引き立てます
ー家具やU字のキッチンにもこだわりが見えますね。
齋藤:シェフの知り合いに数多くのカフェを担当している内装屋さんがいて、その人と相談して家具を決めているんです。使っている食器や小さい椅子、テーブルは全部『DECOrate(デコラテ)』というインテリアショップにいつも頼んでいます。
U字型のキッチンは二つの空間を分けたくないという想いからデザインが決定したんです。お花を包んだりするスペースがほしい、そうなるとここにレジを置きたい、でもここにお客さんも座ってほしい…そんな理想を実現するのはこの形状しかない!ということでご提案いただきましたね。
カウンターの高さも他のお店より低くなっていて、お客さんと話しやすくなっていることもこだわりの一つですね。おひとりでいらっしゃる方や、お酒を楽しむ方など、お客さんと話が盛り上がることがよくあります。
お花スペースへと緩やかに人を引き込むU字型のキッチン
選ぶのは、私のときめいたもの
ー『L’UTOPIE』のお花担当である横田さんですが、具体的にはどのようなお仕事をされていますか?
横田:お花の仕入れや店内の植物によるディスプレイ、アレンジメントなどを担当させていただいています。毎週水曜日と金曜日の朝に卸町の生花市場で仕入れをしているのですが、その時のこだわりとして、自分が一目見てときめいたお花を選ぶようにしています。
ー店頭に並んでいるお花は、横田さんのときめきセレクトということですね!
横田:そういうことになります!なるべく自分のときめいたものだけに偏らないように気をつけて仕入れているつもりなんですけど、それでも自分の趣向が出ちゃってるみたいで、お客さまからはこのお店は変わったお花が多いねと良く言われます(笑)。
ーお店のディスプレイにも珍しくて綺麗なお花が多いですよね。
横田:そうですね。今、ディスプレイに並んでいるのは花ナスというナスの仲間なんですが、店内全体で季節感を感じられるように、並べるお花の色や種類などには気を遣っています。お客様にも季節の移り変わりを楽しんでもらいたいですね。
店内で飾られている花ナス
ーなるほど、季節の変化に合わせて、お店の意匠もどのように変わっていくのか楽しみです。
今、店頭に並んでいるお花もユニークなお花が多いように思いますが、その中で横田さんのおすすめはなんでしょうか。
横田:今あるものですと、この「スパイラルバンブー」がおすすめですね。
スパイラルバンブーを持って笑顔の横田さん
ー初めてみましたがとてもかっこいいですね!
横田:そうなんです!これ一本だけでも絵になるかっこいい植物なのでとてもおすすめです。
ーお花の販売のほかにフラワーアレジメントもオーダーできるとお伺いいたしましたが、これまでのご依頼で印象的だったものはありますか?
横田:お店にいらっしゃるお客様は年齢層や職業問わずさまざまな方が多いため、頂くリクエストの幅もその分広くなるのですが、最近いただいたご依頼だと、フラダンスの発表会に渡すお花を作ってほしいというものがありましたね。
大きなお花屋さんですと、今ある在庫の中からお花を選んだりということになりがちなんですが、『L’UTOPIE』では私ひとりが仕入れを行っているので、お客様からのオーダーに自由な対応ができるのは強みかなと思いますね。
ユートピアへの挑戦
ー横田さんが『L’UTOPIE』でお花担当として働くことになった経緯を教えてもらえますか?
横田:『L’UTOPIE』で働く前は4年ほどお花屋として働いていました。斎藤店長とは元々知り合いだったのですが、『L’UTOPIE』ができるにあたり、誘われるような形でお花担当として働くことになりました。
ーお花屋という共通点はありますが、飲食を含んだ新しい業種への挑戦は勇気がいるものだったと思います。
横田:そうですね。いつかは転職するんだろうなという考えはあったんですけど、まさかこんな急なタイミングで訪れるとは思ってなかったのでとても驚きましたし、悩みました。小さい頃からの夢だったということもあってお花屋に就職しましたが、大学時代は食品系のことを学んでいたので、元々飲食にはとても興味があったんです。お花に関わりつつも学生時代に学んだことを活かせるいい機会かもしれないと思い、今の決断へと至りましたね。
お花担当としてL’UTOPIEへやってきた横田さん。
その日の自分のときめきを信じ、お客様にもそのときめきを届けるため、自由にそして誠実にお客様からのオーダーに応えます。
料理とお花、ときどき音楽
ー最後に、今後の展望を教えてください。
横田:私は、お店を通じてたくさんの人に植物を楽しんでほしいなと思います。私が田舎の出身ということもあって、仙台の街中では草木が少なくて自然に触れる機会が少ないなと感じるんです。そこで、ぜひこのお店で季節ごとの自然を体感してほしいですね。仙台の街中で植物を楽しめるお店として、認知していただければとても嬉しいです。
斎藤:今後はお店をイベント会場などとしても利用していただければなと考えています。たとえばジャズなどの音楽イベントを開催して、音楽を聴きながら料理やお花が楽しめる空間を提供できれば素敵だなと思います。
あとはやはり、より多くの人に来て欲しいですね。今はまだお店ができたばかりということもあって、何屋さんなのか分からないという方もいらっしゃるみたいなんです。そういった方々も含めてお店のことをもっと知っていただき、たくさんの人にとってのユートピアになれたらいいなと思いますね。
お店の前で並ぶ斎藤さんと横田さん
疲れた人たちのユートピアになるようにとの願いを込められ、フレンチビストロ『Bistro Encore』の系列店として今年8月にオープンした『L’UTOPIE』。
美味しい料理や個性的で綺麗なお花、時には音楽など、さまざまなアプローチで癒しを与えてくれるそのお店に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
あなたのユートピアがそこにあるかもしれません。
その他詳細
L’UTOPIE
住 所:宮城県仙台市青葉区春日町6-15Gビル1F
営 業:11:00~20:00
定休日:(月)と第3(火)
記事を書いた人
吉田音生(インターン)