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【シェアする人びと】合同会社セレモニーミュージック仙台 佐々木由美子さん | 「複業」をしなやかに織りなす理由とは

#新しい暮らし #新しい価値観で仕事をする人

PEOPLE

株式会社エコラが運営するシェアオフィス・コワーキングスペースの入居者さんをご紹介する「シェアする人びと」。

今回は仙台市春日町のシェア型複合施設『THE6』に入居する『合同会社セレモニーミュージック仙台』の代表社員、佐々木由美子さん。

レース手芸教室を開催し、結婚式場や葬儀会館へ演奏者を派遣する事業も行っている佐々木さんは、その他にも多彩なキャリアの持ち主。「副業」ではなく「複業」として、それらすべてを軽やかに、そしてしなやかに行き来し、活動する秘訣を伺いました。


セレモニーミュージック仙台 代表社員 佐々木由美子さん

辛い時期を救った手芸の魅力


ー佐々木さんは現在、「Artspace25 レース教室」の講師として精力的に活動されています。そもそも手芸との出会いは、どのようなものだったのでしょうか?

佐々木:きっかけは、本当に偶然でした。夫の転勤で仙台を離れて間もない頃、ひどい咳が続いて肋骨を骨折してしまったんです。1カ月ほど療養生活を送ることになり、ようやく少しずつ歩けるようになってきた頃、ふと立ち寄った近所のホームセンターで一冊のレース手芸の本を見つけました。

ー引っ越しと怪我が重なって大変でしたね。

佐々木:大好きな音楽が耳に入るのすら辛く感じるほど、心身ともに落ち込んでいました。そんな時にレースの本に出会って「やってみようかな」くらいの気持ちでスタートしたんです。

ーその出会いが、現在の「Artspace25 レース教室」の原点になったのですね。

佐々木:そうですね。レース手芸を始めた当初から、驚くほど夢中になれたんです。手先を使って模様を形作っていく工程がとても楽しくて、時間を忘れるほど没頭していました。本格的に学ぼうと決意し、最終的に師範の資格まで取得したんですよ。


手で結んで模様や形を作り出す『マクラメレース』

「シャトル」という道具を使い細いレース糸を結んで仕上げていく『タティングレース』

佐々木さんの作品

「広さより効率」場所にとらわれない働き方


ー佐々木さんにはTHE6にご入居いただいていますが、決め手は何でしたか?

佐々木:以前は二日町にある事務所を借りていたのですが、もう少し効率よく活動できる拠点に移りたいと考えていました。私が代表を務める「合同会社セレモニーミュージック仙台」の事業では、レース手芸教室のほかに結婚式場や葬儀会館へ演奏者を派遣する事業も行っているのですが、メールやLINEでのやり取りがほとんど。物理的な広いスペースは必要なかったんです。

ー確かに、オンラインでのやり取りがメインだと広い事務所は必要ないかもしれませんね。

佐々木:そこで、「必要最低限のコストで運営できること」「法人登記が可能であること」「来客対応ができる環境があること」という3つの条件で探したところ、見つけたのがTHE6だったんです。

ーTHE6は、その条件をすべて満たしていたということですね。

佐々木:月額利用料に光熱費が含まれているのも非常にありがたいですし、施設全体がとても清潔で、デザインも洗練されていて気持ちよく使えます。それに引っ越し先が近場だったので移動の負担も少なくて済みました(笑)

ー演奏者派遣事業の事務所としてだけでなく、レース手芸教室の会場としてもご活用いただいています。

佐々木:そうなんです。月に2回、午前と午後の教室で使用しています。事務所としてだけでなく、教室としても活用できる柔軟性があるところも魅力です。この場所に来てから、活動の幅がさらに広がった気がしますね。

THE6のミーティングスペースで開催している教室の様子

固定観念を打ち破るユニークな挑戦


─会社経営やレース講師、その他にも複数の活動をされていますね。

佐々木:コロナ禍では演奏者を派遣する仕事がかなり減ってしまい、そのときは「複数の仕事を持っていて本当に良かった」と心から思いました。

ー複数のことを同時進行するのは大変ですよね。

佐々木:いろんなことをやっていると、「大変そう」と言われることもありますが、実はそれぞれが良いバランスで支え合っているんです。顧問税理士の方からも、「収入の窓口は複数持っておいたほうがいい」と言われていて、実際にそれが信用や安定にもつながっています。

ー複数のキャリアを持つことで、リスク回避にもなるわけですね。更にチャレンジしたいことがあれば教えてください。

佐々木:これから挑戦したいのは、レース手芸の魅力をもっと広く、特に「男性にも」知ってもらうことです。たとえば「ワインを飲みながらレース手芸を楽しむ」など、異業種とのコラボレーションを通じて、レース手芸をもっと身近に、そしてユニークに楽しんでもらえる場を作っていきたいと考えています。趣味やクリエイティブな活動に性別は関係ないと思っていますし、むしろ、固定観念を取り払って「やってみたい」と思える場を作ることが、レース手芸の新たな魅力を広げていく第一歩だと感じています。

ー佐々木さんのアイディアでレース手芸の魅力がどんどん広がりそうですね。

佐々木:今後も「教えること」を通して、自分自身も学び続けながら、レース手芸の世界をもっとたくさんの人に届けていけたらと思っています。



「Artspace25 レース教室」には、人生の変化や困難を乗り越えてきた経験に裏打ちされた、温かな指導と、柔軟で前向きな佐々木さんの生き方そのものに触れることができる魅力が詰まっています。

レース手芸に興味がある方はもちろん、「何かを始めたい」「新しいつながりが欲しい」と感じている方にとっても、きっと大きな刺激と学びが得られる場所となるはずです。

その他詳細

佐々木由美子

・合同会社セレモニーミュージック仙台 代表社員
・日本手芸普及協会レース部門 師範
・仏教学修士 明増寺住職
・保護司

TEL 022-796-6481
FAX 022-796-6482

記事を書いた人

日沖亜也子

コーディネーター

ゼロから何かを作り上げることよりも、何かを作り上げる人やコトをサポートすることの方が得意。シェアオフィスでそんな特性を活かせたらと思いエコラに入社しました。日常生活では音楽が欠かせません。

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