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【シェアする人びと】合同会社オーエクスプレス|親子で目指す音楽があふれる日常

#新しい暮らし #新しい価値観で仕事をする人

PEOPLE

エコラが運営するシェアオフィス・コワーキングスペースの入居者さんを紹介する「シェアする人びと」。多様な働き方やライフスタイルをコーディネーターが聞いてみました。
今回は仙台市二日町にあるシェア型複合施設『TNER』に入居している大畑美佳さんです。
美佳さんが代表を務める『合同会社オーエクスプレス』は、冠婚葬祭やお誕生日などの記念の時間を演出するアーティストの集まり。どんなお仕事をされているのか、どんな想いで活動されているのか。スタッフの青木芙姫さんも一緒にお話を伺いました。

 

人生の演出をする『オーエクスプレス』


左:青木芙姫さん/右:大畑美佳さん

―まずは『オーエクスプレス』がどんな会社なのかを教えていただけますか?

美佳:メインの仕事としては結婚式やお葬式の演出をしていますが、場面を選ばず人生の演出をするのが私たちの仕事です。お客様の大切な時間をより記憶に残るものにするために、会場へ一流のアーティストを派遣し、生演奏などをお届けしています。さまざまなジャンルのアーティストが登録しているので、ご依頼の内容や場所などに応じて適切な人をコーディネートできますよ。

―生演奏のイメージが強いのですが、それ以外の演出もできるのでしょうか?

美佳:音楽事務所ではありますけど、実際には音楽だけではなくて。生演奏はもちろん、司会者や牧師さんなども含めて総合的にプロデュースしています。例えば会場の装飾だったり、お料理の手配だったり。余興でマジシャンを呼ぶこともできますよ。

―総合的にプロデュースしてもらえるのであれば、開催場所の選択肢が広がりそうですね。

美佳:そうなんです!「この場所でやりたい!」というご相談をもらえたら、ぜんぶ手配して準備します。生演奏に限らず対応できるので、楽器を持ち込めないような場所でも大丈夫ですよ。以前は七ヶ浜の浜辺で結婚式を挙げたこともあります。海の趣味で出会った新郎新婦で、参列されたご友人も海が大好きな人たちばかり。皆さんに楽しんでもらえる式になりました。



―結婚式やお葬式以外ではどんな場面で利用してほしいですか?

美佳:日常のいろんな場面で利用してほしいですね。人生の節目や大事な瞬間はもちろんですが、個人のイベントやお誕生日会、友人同士のちょっとしたパーティーなどでもぜひ呼んでほしい。生演奏というとクラシックなどの格式が高いイメージをお持ちの方が多いのかと思いますが、リクエストさえもらえればどんな曲でも演奏します。

―アニソンや歌謡曲をリクエストしてもいいのでしょうか?

美佳:もちろん!万が一楽譜がない曲でも、動画サイトなどで音源が確認できれば大丈夫。まずは「こんなことできますか?」と相談してもらえたら嬉しいです。意外となんでもできちゃうんですよ。

―演出も演奏もリクエスト次第で柔軟に対応してもらえるんですね。実際に依頼する時は何日前までに相談が必要ですか?

美佳:お葬式の場合は、曲のリクエストを前日のお昼までとさせていただいています。それ以外のご依頼には、とくに締め切りは設けていません。演奏だけなら当日のご相談にも対応したことがありますよ。お料理や装飾用の生花の発注があると、少しお時間が必要にはなりますね。一度ご相談いただければ、内容に応じてその時できるスタイルでご提案をさせていただきます。

 

聴く人に寄り添う演奏を




―芙姫さんは『オーエクスプレス』について、どんなお仕事だと感じていますか?

芙姫:対応力が求められる仕事かなと思います。曲はお任せで、というご依頼の時は特にそう感じますね。

―そういうご依頼の時は事前にご自身で曲を選定して行くのでしょうか?

芙姫:そうですね。イベントの内容や参加者の年齢層、演奏時間などを考慮して準備して行くんですけど、実際に会場に着くと「あ、この曲違うかも」と感じる時があるんです。そういう時はその場で一気に曲を変えたりもします。

―会場の空気や温度感を見極めるのは難しそうです。

芙姫:難しいですけど、やりがいも感じますよ。急きょ変更した曲を聞いた人が「今の曲はね~」って、曲にまつわるご自身の思い出話をしてくれた時は嬉しかったです。やった!響いたんだ!って。正解なんてない仕事ですけど、自分の感覚が正しかったと思える瞬間があるのは楽しいです。

美佳:たしかに、それはあるよね。私たちは会場の雰囲気や皆さんの表情も見ながら、今どうすべきかを常に考えて行動しています。それが伝わった時は、やっぱり嬉しいですね。

―ただ演奏をするのではなく、聴く人に寄り添った対応をしてくれるんですね。

美佳:もちろん楽しいばかりの仕事ではないんです。葬儀会場のお仕事は特に、悲しい空気で満ちているので。そんな場所で私たちにできるのは、精一杯心を込めて演奏することだけです。悲しみを癒すことはできないですけど、一瞬でも穏やかな気持ちで故人を送り出すお手伝いができれば、と思っています。

―音楽は記憶に直結しやすいものだと思います。曲を聞くと楽しかったことや悲しかったことも思い出したりしますよね。

美佳:そうですね。私たちの演出が思い出になり、後々にも影響を与えたり、その人の一生を左右することもある。難しいことも多いですけど、いいお仕事をさせてもらっています。

 

父から受け継いだ『オーエクスプレス』のバトン




―ここからは少し遡って、『オーエクスプレス』がどのように誕生したのかを教えていただけますか?

美佳:『オーエクスプレス』はもともと父が起こした旅行会社でした。父は大手の旅行代理店に長年勤めていて、そこから独立する形で『オーエクスプレス』をスタートしたんです。

―もともと旅行会社だったとは驚きです。美佳さんも旅行のお仕事を?

美佳:当時私は別の音楽事務所に登録していて、演奏者兼事務員として働いていたんです。でも父から会社を継がないか?という話を受け、育児や将来のことも考えて、旅行会社の勉強をすることになりました。

―そこからまた音楽の道に戻ったのは、どんなきっかけがあったのでしょう?

美佳:お世話になったホテルの支配人から「弾きに来てよ」と連絡をいただいたのがきっかけです。実際に弾きに行くと、やっぱりそっちの方が楽しいんですよ。ポツポツと個人でお仕事をいただくようになって、そうしているうちにピアノだけじゃなくて演出を全部やってみたら?とご提案をいただきました。

―お父様の反応はいかがでしたか?

美佳:父から見ても、私は音楽の仕事をしている方が活き活きとしていたみたいです。美佳が継ぐなら音楽をメインにしていった方がいいね、と言ってくれました。それからは父と2人でいろんなホテルや結婚式場に営業に行きましたね。お話をして興味を持ってもらえたらその場で弾いたりもして。

―旅行会社から徐々に音楽の仕事が増えていったんですね。

美佳:その後、父が他界した2020年に今の『合同会社オーエクスプレス』を起こしました。さまざまな事情があって、会社の形態を改めることになったんです。なので『合同会社オーエクスプレス』としてはまだ日は浅いのですが、それよりずっと前から親子で一緒に作ってきた会社。父がつけた会社名はそのまま大事に受け継ぎました。

 

音楽で繋がる新しい家族


―芙姫さんがオーエクスプレスに入ったきっかけは?

芙姫:私は地元の静岡から、結婚を考えて仙台に引っ越してきました。それがきっかけですね。

美佳:芙姫ちゃんは私の息子のフィアンセなんですよ。

―そうなんですね!息子さんも一緒に活動を?

美佳:父が亡くなったのをきっかけに仙台に戻ってきて、会社を手伝ってくれています。今は芙姫ちゃんもいるので、親子3人体制ですね。

写真提供:合同会社オーエクスプレス

―音楽が繋いだ縁ですね。芙姫さんは仙台に来る前から演奏活動をされていたんですか?

芙姫:4歳の頃にピアノを習い始めてからずっと続けていて、音大を卒業した後は静岡で演奏活動や講師をしていました。音楽の仕事は場所を選ばないので、仙台に来ることにも不安はありませんでしたよ。

美佳:せっかく仙台にいてくれるので『オーエクスプレス』の仕事も少しずつお願いしてみたら、当たり前のように一緒にやってくれる人なんです。

―美佳さんにとってありがたい存在なんですね。

美佳:そうですね。芙姫ちゃんは私と同じ熱量で仕事に取り組んでくれるから、一緒に働いていて違和感がないんですよ。安心して仕事を任せられる、ありがたい存在です。

 

運命を感じたTNERとの出会い


―『合同会社オーエクスプレス』を起こしたのが2020年とのことですが、TNERに入居されたのも同年ですよね?

美佳:そうなんです。新しく会社を起こすために事務所が必要で。急なことだったので、なかなかいい場所が見つからず困っていました。

―そんな時にTNERを知ったんですね。

美佳:『シェアオフィス』と聞いて驚きましたよ。そんなすごい場所があるの?って。すぐに連絡して、見学してからは即決でしたね。私のために作ってくれた場所だ!運命だ!って思いました。

―タイミングがバッチリだったんですね。具体的にはどんなところを気に入っていただけたのでしょう?

美佳:全部です。家からのアクセスもいいし、定禅寺通りや街中の取引先にも行きやすい。登記もできるし、キレイだし、おしゃれだし。なにより料金がとても優しいのが魅力ですね。



―たくさん褒めていただいて光栄です。美佳さんから見て、TNERはどんな人に合うと思いますか?

美佳:コロナ禍でまた時代が変わったというか、1人で起業する人も増えたように感じます。そういう人って事務所を構えるために莫大な資金はかけられないので、TNERのような場所があるととても助かると思いますよ。

―確かに、初期費用が抑えられる点は皆さんに喜んでいただけるポイントかなと感じています。

美佳:あとはセキュリティー面が安心なのも女性には嬉しいポイントですよね。スマートロックで入居者だけが自由に出入りできるので、もし夜遅い時間になってしまっても安心して利用できます。

―普段はフリーデスクでの作業や共用スペースでのお打ち合わせでご利用いただくことが多いですが、不便を感じることはないですか?

美佳:会議室やシェアキッチンも使えますし、特に不便はないですね。他の入居者さんと顔を合わせたら挨拶をしたり、ちょっと交流ができるのも刺激になっていいですよ。

 

あなたの人生に音楽を


―最後に、これからの『オーエクスプレス』のことをお聞きしたいと思います。美佳さんは『オーエクスプレス』をどんな会社にしていきたいとお考えですか?

美佳:私たちには、音楽をもっと身近な存在にしていきたい、身近に生演奏を届けられる環境をつくりたいという想いがあります。

―生演奏が気軽に楽しめることを、まだ知らない人が多いのかなと感じます。

美佳:そうですよね。これから仙台・宮城を、もっともっと音楽が身近に感じられる土地にしていきたい。『オーエクスプレス』だけでは難しいかもしれないけれど、私たちが前線で引っ張っていく立場になれたら、と考えています。

―芙姫さんはいかがでしょう?例えば、こんな場所で演奏してみたい!など、あれば教えてください。

芙姫:それはたくさんありますね。TNERでも演奏して良ければ、ぜひ演奏したいです。

美佳:そうだね。姉妹施設のTHE6Blankの入居者さんも招待したら、新しい繫がりも生まれそうだし、絶対楽しい。そんな機会がつくれたら嬉しいです。

芙姫:音楽をもっと身近なものにしていきたい、という気持ちは私も同じです。どうしても生演奏は敷居が高いと思われがちなので、特別な日だけではなく日常的に気軽に楽しめることを知ってほしいですね。さまざまな場面の演出ができること、どんな曲でもリクエストに応えられることを知ってもらえるように発信していきたいです。

写真提供:合同会社オーエクスプレス

 

今回のインタビューではお二人の「音楽で人生をより良いものにしたい」という情熱を感じることができました。
『オーエクスプレス』は仙台を中心に東北で活動していますが、ご依頼があれば全国どこでも対応可能とのこと。範囲を限定しない、型にハマらないサービスを展開しています。そのサービス精神は、美佳さんのために会社の進路を変えたというお父様譲りなのかもしれません。
そして今度は美佳さんが先頭に立ち、家族とともに新しい『オーエクスプレス』を創り上げていく――

美佳さんが繰り返し口にしていたのは「なんでもできる」ということ。演出は結婚式やお葬式に限らない。どんな場所でもどんな内容でもどんな曲でも、まずは気軽に相談してみてください。あなたの大切な一瞬が、日常が、きっと彩り豊かになることでしょう。

その他詳細

合同会社オーエクスプレス

〒980-0821
宮城県仙台市青葉区二日町17-22-309
TEL:022-343-0360

記事を書いた人

八島 拓未

コーディネーター

以前は住宅購入の相談所でアドバイザーとして勤務。
コロナ禍で新しい暮らしや新しい働き方が求められる中、シェアオフィスやコワーキングスペースという場所に興味を持ち、エコラに入社。
現在は施設の管理や内覧・お問合せの対応、事務作業など、シェアオフィスの運営業務を担当。

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