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ごはんを通して心を“はれ”やかにしたい。塩釜のランチスポット『ごはん屋はれ』の想い

#新しい暮らし #新しい暮らしをしている人

PEOPLE

2023年春、宮城県塩竈市にオープンした定食屋『ごはん屋はれ』。
はやくも地域住民のお食事処となりつつあるお店には、平日・土日問わず多くの人々が足を運びます。店主の佐藤さんは、8年ほど東京の飲食店に勤務したのち仙台にUターンし、塩釜でお店を始めました。今回は、そんな佐藤さんにオープンまでの道のりや、食に対する想いをお聞きしました。



ご飯を食べて心晴れやかに



外観

ー お店のコンセプトを教えてください。

佐藤:「あざやかな見た目のご飯で、お客さまの心を晴れやかにする」です。来店する方は一人一人違う環境に置かれていて、その心境もさまざまだと思います。どんな方にも食べ終わって帰る時には全員元気になってほしい、という想いがありますね。

ごはん屋はれの週替わり定食

ごはん屋はれでは『お米』にこだわっていて、白米・玄米・黒米の3種類を1つのお椀に盛り付けるといった、仙台では珍しいかたちを取り入れています。さらに、色遊びが好きなので、見た目のインパクトを与えられるような献立を作るようにしていますね。ここに黄色を入れたらおもしろいなとか、それならにんじんの色を入れたら良さそうとか。目で見て楽しめて、実際に食べて美味しかったら最高ですよね。

ー 今日私が頂いた『鶏肉と野菜のオイスター炒め』『大根もち』『白菜とりんごのマスタードサラダ』はどれも丁度いい味付けで、3種のお米を比較しながら食べられるのはとても面白かったですね。それに彩りも豊かで五感で楽しませていただきました...!

佐藤:ありがとうございます。多くの女性は自分で選びたい気持ちがあると思うので、楽しんでいただけると思います。

 

『ごはん屋はれ』ができるまで


ー 佐藤さんはこれまでずっと飲食業界でお仕事をされてきたんですか?

佐藤:20代の頃は仙台市内のデザイン会社に勤めていました。その後サイクリングが好きで自転車屋に転職したのですが、あるとき「この会社にいても楽しいけれど、自分はこれからどうしたいんだろう?」と考えるようになったんです。
学生時代に飲食店でアルバイトをしていたのですが、家庭の都合で辞めなければいけなくなってしまったんですよね。それがずっと心に残っていて、「もう一度飲食の仕事をしたい。それなら自分のお店を持ちたい。」と思ったんです。もともと料理は好きでしたが、プライベートでする程度でした。プロとしてのスキルが心配だったので、飲食店で働きながら学ぶため上京しました。




ー ちなみに、どんなお店で経験を積んでこられたのですか?

佐藤:上島珈琲店やバル・デ・オジャリア(※)、オーガニックレストラン、椿屋珈琲のケーキを作る工場でキッチンを経験しました。とにかくアイデア集めだと思い、ジャンルが異なるお店で勉強しましたね。
※東京・恵比寿にお店を構えるスペインバル。

ー なるほど。そこからどんなきっかけで塩釜でお店を始めることになったのでしょうか?

佐藤:お世話になっている東北工業大学の新井先生に物件を紹介していただいたのがきっかけです。そこで、この建物がリノベーション工事中にイベントを開催すると聞き、現地へ行ってプロジェクトの企画から施工まで担当されていた株式会社エコラの百田社長に、出店の相談をさせていただいたんです。お店のビジョンやイメージしている定食の話など、色々とお話しました。そして百田社長がオーナーさんにかけ合ってくださり、入居が決まったんですよ。

2022年10月にリノベーション工事中の建物で開催されたマルシェイベントの様子

ー 入居からオープンまで半年と、あっという間に感じませんでしたか?

佐藤:そうですね。なんだか夢を見ているような気分でした。でも当時百田社長とお話をしたとき、これから始める事にすごくワクワクしたんです。これも何かのご縁だしやってみようと思いました。
ただ、一つ心配だったのは出店エリアですね。塩竈市は、仙台市と比べると人口が少ないですし。だけど仙台の中心部だったら必ず成功するとは限らない。それならその土地にあったものを提供する仕掛けを作ればいいじゃん!と考えたので、塩釜でお店を始めることを決めました。

ー なぜ『定食屋』を始めようと思ったんですか?

佐藤:働いていたオーガニックレストランの影響が大きいですね。野菜を多く使った定食のメニューがあって、それが私のやりたいお店のイメージに近かったんです。あとは、飲食店をやるのなら定食屋のおばちゃんになりたかったんですよ!アニメ『忍たま乱太郎』に出てくる、食堂のおばちゃんのような包容力があって色々な人に美味しいご飯を届けられる人に憧れました。

ー 店舗の内装でこだわった部分や、好きな部分はありますか?

佐藤:これはね、一言で「全部」ですよ。もうすべてが愛おしくて、好きなんです。今回、デザインとインテリアをほぼエコラさんにお任せしたのですが、想像以上の仕上がりでした。完成を見たとき、語彙力を失ってとにかく「やばい」しか言えませんでした(笑)モルタルの床も好きですし、木を取り入れた暖かい雰囲気も好きです。

店舗の内観

お店が入っている『マーケットアパートメント塩釜』という建物のコンセプトも、私にぴったりだなと思いました。“職住一体の小商いアパート”といって、上階のアパートメントに住みながら1階で自分のお店が持てるって魅力的じゃないですか。実際に私がいま住んでいるお部屋もリノベーションが施されていて、すごく素敵な雰囲気です。

マーケットアパートメント塩釜のアパートの一室

塩釜にこんな建物があるって面白いですよね。外観も可愛いですし。私はリノベーションって楽しいなって、住んでみても、店舗を作ってみても感じました。今まで大事に使われてきたものを引き継いで、これからも長く使っていきたいなと思っています。例えば店舗の場合、窓のサッシや入口のタイル部分は、お店の雰囲気にも合っていたので手を加えませんでしたね。

ごはん屋はれの入口に貼られているタイル

気軽に立ち寄れる定食屋へ


ー 少し話が外れてしまいますが、塩釜駅周辺って飲食店が少ない印象があったので、ごはん屋さんが増えて嬉しいです!

佐藤:そうなんです。私自身、塩釜駅周辺でランチできるお店がほぼなくて困っています(笑)うちのお店では、ご飯とお味噌汁が残っていたら平日は15時、土日は16時頃までランチ営業をしているので、気軽に立ち寄っていただけたらなと思います。夜の営業やテイクアウト販売も行なっているので、仕事終わりで疲れている方にも栄養たっぷりのごはんを食べてほしいですね。

ー お店のごはんを通じて届けたい想いはありますか?

佐藤:「野菜をたくさん食べたなあ。」とか、「今日は野菜を摂りたい。よし、ごはん屋はれに行こう!」って思ってもらえたら嬉しいです。今週の週替わり定食にも、10種類ほどの野菜を取り入れていますよ。私は食材を仕入れるとき、この野菜を入れたら面白そうと考えながら献立を組みます。自分で納得できるメニューにしたいので、一度決めた献立でも腑に落ちなかったら作り直しますね。

 

“美味しい”の輪を広げる


ー 今後の目標を教えてください。

佐藤:ごはん屋はれを誰かに教えたくなる定食屋にしたいです。そのために、まずは塩釜で暮らす方々にお店を知っていただき、ご飯を通して元気になってもらえたら嬉しいですね。私はお客さまが「美味しいね」と会話していると、お一人お一人に「ありがとうございます!」とキッチンの陰でつぶやいています(笑)一緒にお食事されている人同士がそう話すということは、本当に美味しいと感じてくれているのだと思うんです。なので、美味しさを共有している場面を見るとすごく幸せな気持ちになりますね。

野菜たっぷりのごはんと一緒にお出迎えしますので、いつでも食べに来てくださいね!

その他詳細

ごはん屋はれ

住 所:宮城県塩竈市東玉川町9-18 マーケットアパートメント塩釜1-A
営 業:平日11:00 - 15:00(L.O. 14:30)、17:30 - 20:30(L.O. 20:00)
    土日祝11:00 - 17:00(L.O. 16:30)
定休日:火曜日、第2・4水曜日(詳細はInstagramをご確認ください)

記事を書いた人

土場 愛莉紗(株式会社エコラ)

不動産事業部兼PM事業部

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