
株式会社カンテラ仙台 齋藤佑樹さん
株式会社エコラが運営するシェアオフィス・コワーキングスペースの入居者さんをご紹介する「シェアする人びと」。
今回は、仙台市大町のシェア型複合施設『Blank』に入居する『株式会社カンテラ仙台』代表の齋藤佑樹さん。
主に地元宮城の企業を対象に、長期インターンシップの企画支援、DX化やAI活用のサポートを行うカンテラ仙台。さらに齋藤さんが主催するコミュニティ「東北仙台AI勉強会」では誰でも気軽に参加できるAI活用セミナーを開催するなど、Blankを拠点に精力的に活動中です。
そんなカンテラ仙台の事業内容、そして近頃参加者が急増中のAIセミナーについてもお話を伺います。

DX・AI×インターンで地場企業の魅力を底上げする

ーはじめに、齋藤さんが代表を務める『株式会社カンテラ仙台』について教えていただけますか?
齋藤:カンテラ仙台は2024年の10月から準備をはじめ、翌年8月に立ち上げました。事業内容は主に、企業向けの「DX化・AI活用による業務改善の代行事業」と「採用代行事業」の2軸ですね。
ーカンテラ仙台を立ち上げたきっかけは何だったのでしょうか。
齋藤:僕は生まれも育ちも宮城なんです。高校卒業後もそのまま宮城の大学に通いましたが、就職活動中に「絶対働きたい」と思える企業が地元になかったんですよね。現在の学生はより一層、地元に残って働く人が少なくなっていると感じています。でも、やっぱり僕は生まれ育った地に愛着があるので、昔の地方都市のように若い人がもっと活躍する場をつくりたいと考え、カンテラ仙台を立ち上げました。
ー採用代行事業はまさにその想いと直結していますね。
齋藤:そうですね。はじめに近年の就活事情についてお伝えすると、インターンシップの重要性がどんどん高くなっているんです。さらに2年生や1年生の時点でインターンに参加する学生が増えるなど、開始時期も若年化しています。ところが、インターンを実施しているのはやはり首都圏の企業が多いんですよね。そうすると地方の学生は情報のキャッチアップが遅れてしまい、その差がもっと広がってしまうのが現状なんです。

齋藤:そこで、地場企業の長期インターンと、学生をマッチングさせるサービスをはじめました。就活をはじめた早いタイミングから、バイトと同じ感覚で企業の業務に携わる。そうやって時間をかけて交流していくことで、双方の関係性も表面的ではなく、一歩踏み込んだ領域まで構築されます。その結果入社にも繋がりやすく、企業側のメリットとして新たな活力を組織にもたらすことに加え、退職率の低下にも繋がると考えています。
ーとはいえ、そもそも地方の中小企業はインターンシップを展開しておらず、新しい採用手法にもなかなか手を出しにくいのではないでしょうか。
齋藤:まさしく、特に仙台の地場企業は新しいものを積極的に取り入れることにまだ抵抗があるのでは、と考えています。そのためカンテラ仙台では「人材派遣」ではなく、あくまで「採用代行」としてサービスを提供しています。その企業にあった最適な長期インターンシップを設計しつつ、そこに学生をアテンドしていく流れになりますね。

ーそこに、「企業のDX化・AI活用による業務改善の代行事業」も関わってくる。
齋藤:企業と学生をマッチングさせても、企業側の受け入れ体制が整っていないと成果の最大化は望めません。結局、学生が集まるのはある種デジタル化され、効率的な働き方を取り入れている企業なんです。企業の土台づくりとして、DX化は不可欠だと考えています。
一人ひとりに向き合うAIセミナーを開催中
ーAI事業においては、「東北仙台AI勉強会」というコミュニティを運営されていますね。
齋藤:「東北仙台AI勉強会」はAIに興味がある方、AIを学びたい方、そしてAIをビジネスや実生活に活用したい方向けのコミュニティです。活動の一環として、ChatGPT(※1)に関するセミナーや、Gemini(※2)を使用した実践型ワークショップを開催しています。
※1:米OpenAI社によって開発された、人間との対話に近い自然な文章を生成するAIチャットサービス。
※2:Googleが提供するAIチャットサービス。文章生成や質問応答、要約、翻訳などを行える生成AI。

実際のセミナーの様子。仕事終わりでも参加できるよう、夜間に開催されることもある。
齋藤:セミナーではもちろん実践的な情報も紹介していますが、まずはAIの楽しさをお伝えしています。他で開催されているAIセミナーと異なり、少人数で参加者一人ひとりとしっかり向き合うことを意識しているので、初心者の方でも参加しやすいと思いますよ。
ー齋藤さんには活動拠点として、Blankのフリーデスクプランをご契約いただきました。そして、スペース内の会議室をセミナー会場としてご利用いただいていますね。
齋藤:Blankのおしゃれな会議室は参加者からの評判も良いんです。一般的なレンタル会議室は机と椅子だけの堅苦しい雰囲気の場所が多いのですが、Blankのカフェのような空間はリラックスして集中できると好評の声が多いんですよ。

Blankのレンタル会議室。フリーデスクプラン会員は1日2時間まで無料で利用できる。
ー嬉しいお言葉をありがとうございます!セミナーにはどのような方が参加されていますか?
齋藤:ざっくりAIについて知りたい、という方がほとんどです。後は会社で導入が決まったので事前の勉強のために、なんて方もいらっしゃいますね。年齢や職業を問わず、多くの方にご参加いただいてますよ。
ー何か印象に残っている参加者のエピソードはありますか?
齋藤:40代女性の方で、そもそもパソコンを持っていない、スマホもWi-Fiの繋ぎ方がわからない...というところからスタートした方がいらっしゃいます。何度かセミナーに参加いただいて、現在ではCanva(※3)を使いこなしたり、会話の文字起こしをAIに任せたりと一番成長が著しいですね。
※3:オンラインで使える無料のグラフィックデザインツール
ーそこまで成長できた秘訣はなんでしょう。
齋藤:セミナー中は気になったことを気軽に相談できるようにしていますし、参加者同士の交流が盛んなのも相乗効果があったのではないでしょうか。また、セミナー参加者は公式LINEの登録を可能な限りお願いしていて、会員向けの交流会や相談会も定期的に開催しているんです。その方は相談会も上手に活用いただいたので、短期間でここまで身についたんだと思いますね。
ビジネスの根本は「人」
ー最後に、カンテラ仙台さんの今後の目標を教えてください
齋藤:まずは、もっと多くの方にセミナーに参加いただきたいですね。従来とやり方は変えずに、少人数のまま開催回数を増やしていきたい。Blankには30名まで利用できるイベントスペースもあるので、大規模な交流会を開催しても良いかもしれませんね。

齋藤:また、僕はやっぱり地元の宮城に愛着があるんです。若い人がもっと地元で活躍して、地域を盛り上げてほしい。そのために、さらに多くの地場企業を対象に土台づくりをお手伝いしたいですね。
齋藤:これまでの地場企業は、どちらかというと既存の人間関係だけで事業が進んでいくことが多いのではないでしょうか。それに対してカンテラ仙台がその関係に新しく加われるよう、まずは事業内容に共感いただき、何より僕自身も信用していただけるように活動していきたいです。
ー利害のみでしか成り立たない関係ではなく、企業の一部として大事な存在でありたい。
齋藤:結局、ビジネスにおいて大事なのは「人」だと思っています。地方ほど、より人柄が大事になってくる。だからこそ、僕自身がもっと魅力的な存在になっていかないと。
ー貴重なお話、ありがとうございました!

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どれだけ社会にデジタル化やAIの普及が進んでも、ビジネスの根本は「人」。
そう語る齋藤さんの人柄に共感された方は、
ぜひセミナーや交流会に参加してみてはいかがでしょうか。
記事を書いた人

鳴海 匠
コーディネーター
学生時代、地元のコワーキングスペースにて勤務。
大学卒業後は仙台市内の企業にてwebライティング業務に従事するが、コミュニティデザインに関する興味が再燃し、エコラへ入社。
現在はBlankの運営業務を担当。




