RE-NEWを運営する株式会社エコラは、宮城・仙台を中心に「リノベーションを通じて変化をつくり出す」をコンセプトとして、住宅・オフィス・複合施設など様々な事業を展開しています。
エコラが展開するリノベーションの魅力について、常務取締役の百田和弘に聞きました。
—リノベーションのお仕事に携わられた経緯をおしえてください。
百田:最初に入社したのはJR関係の開発の会社で、設計と施工を行っていました。その後、大手ゼネコンにて、マンション、学校等の建設工事に携わりました。エコラは2004年の設立から3、4年後ぐらいの時に、誘われて入ったんです。
ふだんの仕事は、大きい案件に関してはプロジェクトのマネジメントや現場管理を行っています。マンションや戸建てのリノベーションのご相談をいただいた場合は、お客さまのヒアリングをして見積もりを立て、施工、引き渡しというような一連の流れを1人で行うこともあります。
会社としては法人のお客さまが多いのですが、「仙台Rゲート」では直接エンドユーザーのお客さまとやりとりをしています。中古のマンションや戸建てを買ってリノベーションを提案する事業で、不動産会社の(株)アイ・クルールと共同で行なっているサービスです。アイ・クルールが不動産を仲介し、戸建てを、エコラが設計、施工します。空間設計は個性的な建築家にもチームに入ってもらっています。
ライフスタイルに合った住まい
—ずばり、リノベーションの魅力はなんでしょうか?
百田:自分のライフスタイルに合った住まいを、コストを抑えながら手に入れることができるということですね。例えば、仙台市街地の上杉エリアでマンションを買うとなると、新築だと4,500万ぐらいが多いです。それに対して、ちょっと築年数の古いマンションを購入してリノベーションすれば、平米数も大きいもので自分好みの部屋が作れて、かつ金額も抑えられます。住宅に限らず、オフィスや店舗も同様です。
—リノベーションだと、エリアの選択肢も増えますよね。新築マンションだと内装メーカーもあらかじめ決まっていて、選べないといった話も聞いたことがあります。
百田:ほぼ選べないと思います。できあがったものに生活を合わせていくというスタイルになるのではないでしょうか。
私も、自分でリノベーションをしたマンションに住んで実際に体験しているのですが、自分の場合良かったのは、なんといっても100平米弱という広さですね。一般的なマンションが70平米前後なので、6畳間を3部屋プラスしたぐらいの広さがあります。安く手に入れて好きなように作れて、自分の好きなように直すこともできるのは魅力ですね。
—広いですね! 間取りも画一的ではなく自由に、唯一無二に作れるのも魅力的です。
百田:予算が多くあって注文住宅みたいな形で建てられる方はいいのですが、限られた予算内で希望の家を作るとなると、リノベーションという選択肢が浮上します。
築年数が古いと建物の設備が大丈夫かと思われるかもしれませんが、電気や給水管などのインフラの部分はリノベーションで取り替えることができます。建物性能を上げる断熱工事もでき、高断熱の建物をつくることも可能です。
リノベ物件探しのポイント
—住まいの購入をする時に、リノベーションを想定して物件探しをするとなると、気をつけるポイントはあるでしょうか?
百田:マンションの場合、建物がまず「旧耐震基準」か「新耐震基準」かというのを見るのが1つですね。見極めるポイントは築年数です。旧耐震基準が適応されている場合、地震に弱い可能性があります。
また、マンションの修繕費が積み立てしてあるか、管理組合の組織がきちんとしているかも確認ポイントです。その辺が滞っていると、自宅をリノベーションしても共用部の修繕ができないとなる場合もあるので、仲介会社の不動産屋に確認を取ります。
あとは、住まう部屋だけで考えがちなのですが、建物の立地や共用部の雰囲気もポイントです。リビングからの見晴らしも見て、リノベーションの間取りや内装を検討していったりもするので、意外に共用部って大事なんですよ。
—なるほど。建物や共用部とテイストがつながるようにデザインするんですね?
百田:そうそう。個人的な好みになるかもしれないのですが、外観がボロボロなのに中だけ新築マンションみたいな感じにしちゃうのは、見た目的にはおかしいなと、バランスは取りたいなと思う。
—物件を見たときのインスピレーションも大事でしょうか?
百田:それは大事ですよね。ぱっと見て、立地も含めて暮らしの想像がつくかどうか。近くに公園やスーパーがあって子育てがしやすいとか、自分の趣味の場所まで近かったりとか。
戸建て物件の場合は、床下や天井裏など、見えないところの確認も大事です。湿気がたまりやすい床下は、木材が腐ったりシロアリの問題もある。個人ではなかなか確認できないので、最近は不動産業者でも、インスペクション(※中古住宅を売買する際に行う住宅診断)付き住宅を販売しています。事前に我々のような資格を持っているプロが確認して、問題ないですよとお墨付きを与えます。
—天井裏にはどんな心配があるのでしょうか?
百田:木材のつなぎ目が金物で結合されているのですが、それがしっかり結合されていない、断熱材が入っていないという懸念があります。築25年から30年は入っているのですが、40年、50年の建物は入ってないことが多いですね。寒さも断熱を行うだけで全然違うので、戸建てでは特に大事ですね。
天井裏は雨漏りの痕跡も確認します。水が下まで来ていなくても上で漏れている可能性があり、シロアリや腐食の原因になります。
住宅メーカーがちゃんと作っているかというのも1つの基準かもしれません。一般の工務店、昔の大工さんにお願いして作った建物は、独自の形で作っているパターンもあります。私も、仙台Rゲートの案件でお客さまが物件を購入する前に同行して、床下や天井裏をチェックしたりします。見た上で、やめておいたほうがいいとお客さまに伝えたこともありますよ。
—なかなか不動産業者はおしえてくれないところかと思いますが、知っていると安心してリノベーションに進めますね。
前編では、リノベーションの魅力から、物件探しのポイントまでをお伝えしました。後半は、エコラのリノベーションの特色やこだわりなどをさらに深くご紹介していきます。どうぞお楽しみに!
(撮影場所:Blank、写真:はまだ あつみ)
エコラが展開するリノベーションの魅力について、常務取締役の百田和弘に聞きました。
百田和弘(ももた・かずひろ)
株式会社エコラ 常務取締役。一級建築士・一級建築施工管理技士。2007年にエコラへ入社。代表的な事例に仙台銀行本店ビルがある。休日は家族とのんびり過ごしたり、ジムやサーフィンでリフレッシュしている。
株式会社エコラ 常務取締役。一級建築士・一級建築施工管理技士。2007年にエコラへ入社。代表的な事例に仙台銀行本店ビルがある。休日は家族とのんびり過ごしたり、ジムやサーフィンでリフレッシュしている。
—リノベーションのお仕事に携わられた経緯をおしえてください。
百田:最初に入社したのはJR関係の開発の会社で、設計と施工を行っていました。その後、大手ゼネコンにて、マンション、学校等の建設工事に携わりました。エコラは2004年の設立から3、4年後ぐらいの時に、誘われて入ったんです。
ふだんの仕事は、大きい案件に関してはプロジェクトのマネジメントや現場管理を行っています。マンションや戸建てのリノベーションのご相談をいただいた場合は、お客さまのヒアリングをして見積もりを立て、施工、引き渡しというような一連の流れを1人で行うこともあります。
会社としては法人のお客さまが多いのですが、「仙台Rゲート」では直接エンドユーザーのお客さまとやりとりをしています。中古のマンションや戸建てを買ってリノベーションを提案する事業で、不動産会社の(株)アイ・クルールと共同で行なっているサービスです。アイ・クルールが不動産を仲介し、戸建てを、エコラが設計、施工します。空間設計は個性的な建築家にもチームに入ってもらっています。
ライフスタイルに合った住まい
—ずばり、リノベーションの魅力はなんでしょうか?
百田:自分のライフスタイルに合った住まいを、コストを抑えながら手に入れることができるということですね。例えば、仙台市街地の上杉エリアでマンションを買うとなると、新築だと4,500万ぐらいが多いです。それに対して、ちょっと築年数の古いマンションを購入してリノベーションすれば、平米数も大きいもので自分好みの部屋が作れて、かつ金額も抑えられます。住宅に限らず、オフィスや店舗も同様です。
—リノベーションだと、エリアの選択肢も増えますよね。新築マンションだと内装メーカーもあらかじめ決まっていて、選べないといった話も聞いたことがあります。
百田:ほぼ選べないと思います。できあがったものに生活を合わせていくというスタイルになるのではないでしょうか。
私も、自分でリノベーションをしたマンションに住んで実際に体験しているのですが、自分の場合良かったのは、なんといっても100平米弱という広さですね。一般的なマンションが70平米前後なので、6畳間を3部屋プラスしたぐらいの広さがあります。安く手に入れて好きなように作れて、自分の好きなように直すこともできるのは魅力ですね。
—広いですね! 間取りも画一的ではなく自由に、唯一無二に作れるのも魅力的です。
百田:予算が多くあって注文住宅みたいな形で建てられる方はいいのですが、限られた予算内で希望の家を作るとなると、リノベーションという選択肢が浮上します。
築年数が古いと建物の設備が大丈夫かと思われるかもしれませんが、電気や給水管などのインフラの部分はリノベーションで取り替えることができます。建物性能を上げる断熱工事もでき、高断熱の建物をつくることも可能です。
リノベ物件探しのポイント
—住まいの購入をする時に、リノベーションを想定して物件探しをするとなると、気をつけるポイントはあるでしょうか?
百田:マンションの場合、建物がまず「旧耐震基準」か「新耐震基準」かというのを見るのが1つですね。見極めるポイントは築年数です。旧耐震基準が適応されている場合、地震に弱い可能性があります。
また、マンションの修繕費が積み立てしてあるか、管理組合の組織がきちんとしているかも確認ポイントです。その辺が滞っていると、自宅をリノベーションしても共用部の修繕ができないとなる場合もあるので、仲介会社の不動産屋に確認を取ります。
あとは、住まう部屋だけで考えがちなのですが、建物の立地や共用部の雰囲気もポイントです。リビングからの見晴らしも見て、リノベーションの間取りや内装を検討していったりもするので、意外に共用部って大事なんですよ。
—なるほど。建物や共用部とテイストがつながるようにデザインするんですね?
百田:そうそう。個人的な好みになるかもしれないのですが、外観がボロボロなのに中だけ新築マンションみたいな感じにしちゃうのは、見た目的にはおかしいなと、バランスは取りたいなと思う。
—物件を見たときのインスピレーションも大事でしょうか?
百田:それは大事ですよね。ぱっと見て、立地も含めて暮らしの想像がつくかどうか。近くに公園やスーパーがあって子育てがしやすいとか、自分の趣味の場所まで近かったりとか。
戸建て物件の場合は、床下や天井裏など、見えないところの確認も大事です。湿気がたまりやすい床下は、木材が腐ったりシロアリの問題もある。個人ではなかなか確認できないので、最近は不動産業者でも、インスペクション(※中古住宅を売買する際に行う住宅診断)付き住宅を販売しています。事前に我々のような資格を持っているプロが確認して、問題ないですよとお墨付きを与えます。
—天井裏にはどんな心配があるのでしょうか?
百田:木材のつなぎ目が金物で結合されているのですが、それがしっかり結合されていない、断熱材が入っていないという懸念があります。築25年から30年は入っているのですが、40年、50年の建物は入ってないことが多いですね。寒さも断熱を行うだけで全然違うので、戸建てでは特に大事ですね。
天井裏は雨漏りの痕跡も確認します。水が下まで来ていなくても上で漏れている可能性があり、シロアリや腐食の原因になります。
住宅メーカーがちゃんと作っているかというのも1つの基準かもしれません。一般の工務店、昔の大工さんにお願いして作った建物は、独自の形で作っているパターンもあります。私も、仙台Rゲートの案件でお客さまが物件を購入する前に同行して、床下や天井裏をチェックしたりします。見た上で、やめておいたほうがいいとお客さまに伝えたこともありますよ。
—なかなか不動産業者はおしえてくれないところかと思いますが、知っていると安心してリノベーションに進めますね。
前編では、リノベーションの魅力から、物件探しのポイントまでをお伝えしました。後半は、エコラのリノベーションの特色やこだわりなどをさらに深くご紹介していきます。どうぞお楽しみに!
(撮影場所:Blank、写真:はまだ あつみ)
記事を書いた人
大河原 芙由子
コーディネーター
大学で社会学と政治学を学び、卒業後はサステイナブルな社会づくりをめざし、自然エネルギー業界で働く。結婚を機に、舞台制作の道に。現在は、文化芸術と社会をつなぐ仕事もしながら、#アート #カルチャー #ソーシャル #サステイナブルな活動を掛け合わせていくことを実践中。庭を楽しむ暮らしが目標。