「サブスク」と聞いて、みなさんがイメージするのはどんなものでしょうか。音楽や映画、カフェのコーヒー、家電のサブスクも最近は利用する人が多くなっているようです。
SPICE IN THE HOUSE(スパイス イン ダ ハウス)が行っているのは、スパイスのサブスクリプションサービス。毎月スパイスセットと、5種類のレシピが届くサービスです。
どんなサービスなのか、なぜサブスクなのか。SPICE IN THE HOUSEの佐藤さんにお話を聞くと、スパイスに限らず「食」への熱い想いを教えてくれました。
開始から最初の5か月は、5種類の本格スパイスカレーから選んで作れるスパイスキットが届くBEGINNER CLASS。6か月目以降はEXPERT CLASSとして、毎月変わる限定カレーレシピと、世界各国の料理が作れるスパイスキットが追加されます。
「目的は料理を好きになってもらうこと」と佐藤さん。その想いはレシピにも反映されており、料理初心者が迷う“少々”や“適量”といった曖昧な表現を一切使っていません。
「少々ってどのくらいだろう?と考えながら料理をするのはストレスですよね。指2本でつまんだ量という基準はあるけど、手のサイズはみんな違いますし。それが失敗の原因にもなる」。
そんなネガティブな要素を取り除くためにレシピには材料の分量はもちろん、炒めたり煮込んだりする時間まで詳細に記載しています。さらに調理の手順を動画で見られるQRコードも載っており、作り方や完成品をよりイメージしやすいように工夫されています。
佐藤さんが食の魅力に気づいたのは大学生の頃。バックパッカーとして世界中を回りはじめてすぐの出来事がきっかけでした。
「空港におりて15分くらいで、携帯を盗まれました」
笑いながらそう話す佐藤さんですが、当時は英語をあまり話せず、頼りにしていたツールを失い途方に暮れたそう。
「ひとまず入ったダイニングバーのバーテンダーが偶然日本好きな人で。日本の話で盛り上がって仲良くなれたんです」。
困っているのを知って助けてくれたバーテンダーとは、今でも繋がりがあるという佐藤さん。言葉が通じない中でも人と繋がることができたのは食事の場だったからだと感じ、この経験から食にかかわる仕事に就くことを決めました。
食品メーカーに勤務し“美味しいを届ける”仕事にやりがいを感じていた佐藤さんですが、同時に食品業界でよく使われる“時短簡便”という言葉には違和感を覚えたと言います。
「問題なのは消費者に時間がないことではなく、料理には時間をかける価値がないと認識されていることだと思います。私にとって料理は生活を豊かにしてくれる存在なので、その時間が多くの人にとっては苦痛で少しでも削りたいものなのかと、悲しく感じました」。
料理が楽しくないから時短簡便が求められ、食品業界はその需要に応える。この状態が続けば、今の食文化はなくなってしまうのではないか、と危機感を覚えました。
料理を楽しんでもらう工夫の一つとして、スパイスを届けるパッケージにもこだわっています。混ざり合うスパイスをイメージしたデザインは、まるで額縁に入った絵画のよう。
「届いてから実際に作るまではパッケージのままキッチンに置いておくと思います。キッチンに行く度に目に入って、『週末はこれをつくろう!』とワクワクしてもらえたら嬉しいですね」。
料理を好きになるためには何が必要なのか。佐藤さんはずっと考えてきたといいます。開発時には200人ほどのモニターからアンケートを取ったことも。その結果、料理が好きな人の多くはきっかけを明確に覚えているということがわかりました。
「小さい頃に作った料理を家族が美味しいと言ってくれたとか、大切な人が喜んでくれたとか。そういう成功体験がきっかけとなり、料理が好きになっていくんだと考えました」。
SPICE IN THE HOUSEのスパイスは佐藤さんが厳選した最高品質のもの。レシピには食品業界で培ったノウハウを惜しみなく注ぎ込んでいます。
「もちろん味には一番こだわっています。お店のカレーを超えるものが作れますよ」。
佐藤さん自慢のレシピで美味しいカレーを作ること。それがきっかけとなり、継続するほどにレパートリーが増え、どんどん料理が好きになっていく。そんな体験を提供してくれるのがSPICE IN THE HOUSEです。
初心者には手が出しにくいスパイス料理。どんな香りでどんな使い方をすればいいのか、その感覚は実際に触れてみないとわからないと佐藤さんは話します。
「何度も作るうちに、だんだん塩梅がわかってきます。『この料理にはこのスパイスが合うな』とか、『これを足したらもっと美味しくなるな』とか。味見をして、イメージして、想像どおりの料理が作れるようになると、最高に楽しいんです」。
カレーに限らずさまざまな国のスパイス料理を作ることができ、新たな発見を楽しむことができそう。
SPICE IN THE HOUSEのキットは美味しく作れるだけではなく、ユーザーのその後までを考えて届けられています。
「SPICE IN THE HOUSEは”どうしたら料理好きを増やせるか”を考えて作ったサービスです。“料理好き”が増えることで、料理に“面白さ”を求めるマーケットが出来上がり、そのマーケットが広がれば現状のような“いかに簡単か”ではなく“いかに面白いか”が価値の軸となる世界となります。私はそんな“面白い食の未来”を実現したいと思っています」。
現在ユーザー数を1000名までと限定しているのは、丁寧にコミュニケーションを取りたいとの想いから。ユーザーの声を取りこぼさず、一人ひとりの体験価値を充実させ、料理を楽しんでもらいたい。その想いに共感し、ユーザーの輪が少しずつ広がっています。
「ユーザーさんも含めて、同じ船に乗っている仲間だと思っています。“面白い食の未来”という行先を目指しているコミュニティ。その繋がりを大切にしていきたいですね」。
そんなSPICE IN THE HOUSEの商品は、シェア型複合施設TNERのレンタルキッチンで調合・梱包されています。
「気兼ねなく集まれる状況になったら、ユーザーさん限定のカレーキャンプなど、対面のコミュニケーションも考えています。TNERのキッチンで作って食べるのもいいですね」。
今回「料理が楽しいものだと知ってほしい」と繰り返しお話ししていた佐藤さん。そこには料理が好きだという純粋な感情と、食の価値を広めたいという熱い想いがあります。SPICE IN THE HOUSEは、料理が好きな方にはもちろん、料理が苦手な方にこそ寄り添い、一緒に“面白い食の未来”を目指しています。
SPICE IN THE HOUSE(スパイス イン ダ ハウス)が行っているのは、スパイスのサブスクリプションサービス。毎月スパイスセットと、5種類のレシピが届くサービスです。
どんなサービスなのか、なぜサブスクなのか。SPICE IN THE HOUSEの佐藤さんにお話を聞くと、スパイスに限らず「食」への熱い想いを教えてくれました。
毎月届くスパイスとレシピ
開始から最初の5か月は、5種類の本格スパイスカレーから選んで作れるスパイスキットが届くBEGINNER CLASS。6か月目以降はEXPERT CLASSとして、毎月変わる限定カレーレシピと、世界各国の料理が作れるスパイスキットが追加されます。
「目的は料理を好きになってもらうこと」と佐藤さん。その想いはレシピにも反映されており、料理初心者が迷う“少々”や“適量”といった曖昧な表現を一切使っていません。
「少々ってどのくらいだろう?と考えながら料理をするのはストレスですよね。指2本でつまんだ量という基準はあるけど、手のサイズはみんな違いますし。それが失敗の原因にもなる」。
そんなネガティブな要素を取り除くためにレシピには材料の分量はもちろん、炒めたり煮込んだりする時間まで詳細に記載しています。さらに調理の手順を動画で見られるQRコードも載っており、作り方や完成品をよりイメージしやすいように工夫されています。
人との繋がりが生まれる食の価値
佐藤さんが食の魅力に気づいたのは大学生の頃。バックパッカーとして世界中を回りはじめてすぐの出来事がきっかけでした。
「空港におりて15分くらいで、携帯を盗まれました」
笑いながらそう話す佐藤さんですが、当時は英語をあまり話せず、頼りにしていたツールを失い途方に暮れたそう。
「ひとまず入ったダイニングバーのバーテンダーが偶然日本好きな人で。日本の話で盛り上がって仲良くなれたんです」。
困っているのを知って助けてくれたバーテンダーとは、今でも繋がりがあるという佐藤さん。言葉が通じない中でも人と繋がることができたのは食事の場だったからだと感じ、この経験から食にかかわる仕事に就くことを決めました。
料理を楽しむ時間をデザインしたい
食品メーカーに勤務し“美味しいを届ける”仕事にやりがいを感じていた佐藤さんですが、同時に食品業界でよく使われる“時短簡便”という言葉には違和感を覚えたと言います。
「問題なのは消費者に時間がないことではなく、料理には時間をかける価値がないと認識されていることだと思います。私にとって料理は生活を豊かにしてくれる存在なので、その時間が多くの人にとっては苦痛で少しでも削りたいものなのかと、悲しく感じました」。
料理が楽しくないから時短簡便が求められ、食品業界はその需要に応える。この状態が続けば、今の食文化はなくなってしまうのではないか、と危機感を覚えました。
料理を楽しんでもらう工夫の一つとして、スパイスを届けるパッケージにもこだわっています。混ざり合うスパイスをイメージしたデザインは、まるで額縁に入った絵画のよう。
「届いてから実際に作るまではパッケージのままキッチンに置いておくと思います。キッチンに行く度に目に入って、『週末はこれをつくろう!』とワクワクしてもらえたら嬉しいですね」。
料理が好きになるプロセスとは
料理を好きになるためには何が必要なのか。佐藤さんはずっと考えてきたといいます。開発時には200人ほどのモニターからアンケートを取ったことも。その結果、料理が好きな人の多くはきっかけを明確に覚えているということがわかりました。
「小さい頃に作った料理を家族が美味しいと言ってくれたとか、大切な人が喜んでくれたとか。そういう成功体験がきっかけとなり、料理が好きになっていくんだと考えました」。
SPICE IN THE HOUSEのスパイスは佐藤さんが厳選した最高品質のもの。レシピには食品業界で培ったノウハウを惜しみなく注ぎ込んでいます。
「もちろん味には一番こだわっています。お店のカレーを超えるものが作れますよ」。
佐藤さん自慢のレシピで美味しいカレーを作ること。それがきっかけとなり、継続するほどにレパートリーが増え、どんどん料理が好きになっていく。そんな体験を提供してくれるのがSPICE IN THE HOUSEです。
スパイス料理をもっと身近に
初心者には手が出しにくいスパイス料理。どんな香りでどんな使い方をすればいいのか、その感覚は実際に触れてみないとわからないと佐藤さんは話します。
「何度も作るうちに、だんだん塩梅がわかってきます。『この料理にはこのスパイスが合うな』とか、『これを足したらもっと美味しくなるな』とか。味見をして、イメージして、想像どおりの料理が作れるようになると、最高に楽しいんです」。
カレーに限らずさまざまな国のスパイス料理を作ることができ、新たな発見を楽しむことができそう。
SPICE IN THE HOUSEのキットは美味しく作れるだけではなく、ユーザーのその後までを考えて届けられています。
ユーザーと一緒に目指す食の未来
「SPICE IN THE HOUSEは”どうしたら料理好きを増やせるか”を考えて作ったサービスです。“料理好き”が増えることで、料理に“面白さ”を求めるマーケットが出来上がり、そのマーケットが広がれば現状のような“いかに簡単か”ではなく“いかに面白いか”が価値の軸となる世界となります。私はそんな“面白い食の未来”を実現したいと思っています」。
現在ユーザー数を1000名までと限定しているのは、丁寧にコミュニケーションを取りたいとの想いから。ユーザーの声を取りこぼさず、一人ひとりの体験価値を充実させ、料理を楽しんでもらいたい。その想いに共感し、ユーザーの輪が少しずつ広がっています。
「ユーザーさんも含めて、同じ船に乗っている仲間だと思っています。“面白い食の未来”という行先を目指しているコミュニティ。その繋がりを大切にしていきたいですね」。
そんなSPICE IN THE HOUSEの商品は、シェア型複合施設TNERのレンタルキッチンで調合・梱包されています。
「気兼ねなく集まれる状況になったら、ユーザーさん限定のカレーキャンプなど、対面のコミュニケーションも考えています。TNERのキッチンで作って食べるのもいいですね」。
今回「料理が楽しいものだと知ってほしい」と繰り返しお話ししていた佐藤さん。そこには料理が好きだという純粋な感情と、食の価値を広めたいという熱い想いがあります。SPICE IN THE HOUSEは、料理が好きな方にはもちろん、料理が苦手な方にこそ寄り添い、一緒に“面白い食の未来”を目指しています。
その他詳細
記事を書いた人
八島 拓未
コーディネーター
以前は住宅購入の相談所でアドバイザーとして勤務。
コロナ禍で新しい暮らしや新しい働き方が求められる中、シェアオフィスやコワーキングスペースという場所に興味を持ち、エコラに入社。
現在は施設の管理や内覧・お問合せの対応、事務作業など、シェアオフィスの運営業務を担当。